トウキョウ・バイス

トウキョウ・バイス

1988年6月25日にポリドールから発売されたOVA作品。

ポリドールのOVA参入第一作であり、日本ビクターの『戦国奇譚妖刀伝』に続いて南町奉行所が制作に関わった作品です。スタッフも同作から多くが参加していますが、キャラクターデザインの大貫健一はスケジュール上の都合から原画のみ担当し、作画監督はメカニックデザインのつるやまおさむが担当しました。

監督・脚本を手掛けた山崎理は、制作費の遅延により制作を断念しかけたものの、完成に漕ぎ着けたと述懐しています。

ストーリー

ラッツ探偵局の当麻順平、山咲恵子、当麻久美子の3人は、同じく探偵局のメンバーである名枯山明のバンドコンサートを観に新宿のライブハウスへ。しかし、そこで観客の男性が突如倒れ死亡。順平にフロッピーディスクを託して息絶えます。男性の体内から銃弾が発見されたことから、警察は殺人事件として捜査を開始。ラッツ探偵局も独自に調査を開始します。

死亡した男性は、5年前に失踪した東亜工業大学の佐伯真一教授だと判明。失踪直前に大手軍需メーカーの四ッ星重工と接触していたことがわかります。四ッ星重工の関与を疑った順平は周辺を調査しますが、武装ヘリの襲撃を受け重傷を負い、妹の久美子も誘拐されてしまいます。フロッピーディスクとの引き換えを要求された明と恵子は、久美子を救出するため取引場所へ向かい、四ッ星重工の社員たちを制圧。久美子の居場所を聞き出し、顔馴染みの坂本刑事に協力を要請し、四ッ星重工の研究所へ潜入します。久美子の誘拐を知った順平も病院を抜け出し、研究所へと急行します。

研究所に潜入した明は、四ッ星重工が開発していた新型陸上歩行兵器「童留3号」の攻撃を受けます。フロッピーディスクには「童留3号」の脚部制御に必要なデータが記録されていたのです。明は間一髪で操作ケーブルを切断し、危機を脱しますが、「童留3号」の原子炉が暴走を開始。久美子を救出して脱出を図る明に、「童留3号」が襲い掛かります。絶体絶命のピンチに陥った明の元へ順平が駆けつけ、「童留3号」に立ち向かいます。辛くも「童留3号」を破壊するものの、直後に爆発が発生。研究所は炎に包まれます。しかし、順平は間一髪で脱出に成功し、皆と再会を果たします。

この事件をきっかけに、四ッ星重工の「童留3号」開発を巡る汚職、久美子の誘拐、佐伯教授殺害の罪が明らかになるのでした。

登場人物

当麻順平: ラッツ探偵局のメンバーである大学生。熱血漢。
名枯山明: ラッツ探偵局のメンバーである大学生。頭脳明晰で身体能力も高い。
山咲恵子: ラッツ探偵局のメンバーである大学生。大財閥の令嬢で、情報面で順平たちをサポートする。
当麻久美子: ラッツ探偵局のメンバーである大学生。順平の妹。
坂本宗一: 刑事。順平たちの顔馴染み。
所長: 四ッ星重工第三研究所の所長。「童留3号」完成のためには手段を選ばない。
岡崎: 所長の部下。「童留3号」の操作を担当。
浜田: 代議士。四ッ星重工のパトロン。

声の出演

当麻順平 - 矢尾一樹
名枯山明 - 塩沢兼人
山咲恵子 - 平野文
当麻久美子 - 小森まなみ
坂本宗一 - 千葉繁
所長 - 筈見純
浜田代議士 - 森山周一郎

スタッフ

原作 - 南町奉行所
監督・脚本 - 山崎理
キャラクターデザイン - 大貫健一
* 作画監督、メカニックデザイン - つるやまおさむ

もう一度検索