トム・ジンク

トム・ジンク（Z-Man）

トム・ジンクは1958年にアメリカ合衆国ミネソタ州ゴールデンバレーに生まれたプロレスラーで、本名はトーマス・アーウィン・ジンクです。彼はロビンズデール・ハイスクールを卒業し、そこでボディビルを学び、多くのタイトルを獲得しています。ジンクがプロレスの道に進むきっかけとなったのは、当時の指導者エディ・シャーキーによるスカウトでした。

1983年、ビル・ワットが主宰するMSWAでデビューしたジンクは、1984年からミネソタのAWAに参戦し、ベビーフェイス（善玉レスラー）として注目を集めました。彼の魅力は、肉体美と甘いマスクにあり、すぐにスター候補と見なされました。「Z-Man」というリングネームで知られるようになった彼は、1985年からNWA圏で多くの試合に出場し、オレゴンやワシントンを中心に活動していました。

1986年にはNWAパシフィック・ノースウエスト・ヘビー級王座を獲得し、その後カナダに進出。リック・マーテルとタッグを組むことで全日本プロレスに初来日し、以降も日本での活動を続けました。1987年にはWWFに移籍し、カンナム・コネクションとして知られるタッグチームを結成。WWFではハート・ファウンデーションやドリーム・チームなどの強豪チームと対戦し、マニアに強い印象を残しました。

デビュー当初の成功にもかかわらず、ジンクは契約のトラブルから短期間でWWFを離れることになりましたが、その後古巣のAWAに戻るとともに、全日本プロレスにも何度か来日しました。そして1989年末には初期のWCWにZ-Manとして登場し、数々のタッグタイトルを獲得。1990年にはリック・フレアーに挑戦した経験もあります。

また、彼は新日本プロレスにも参加し、数回来日。1993年にはリッキー・スティムボートとのタッグチームでひと時の注目を集め、ハリウッド・ブロンズに挑むなど、常に変化を求めながらリングに立ち続ける姿勢が印象的でした。しかし、1994年にはWCWを離れ、以降はインディー団体での活動を経て、1996年にプロレスを引退しました。

トム・ジンクは技術的にも優れたレスラーで、ドロップキックやスーパーキック、スリーパー・ホールドを得意技としており、観客に非常に人気のあるレスラーでした。彼は多くの著名なタイトルを獲得し、印象に残る試合を数多くこなしました。

2017年12月9日、彼は59歳でミネソタ州にあるノース・メモリアル・メディカル・センターで亡くなりました。ジンクのキャリアは短かったものの、その影響力は今もなおプロレス界に色濃く残っています。彼の影響を受けたレスラーやファンの中には、今も彼のファイトスタイルや姿勢を尊敬する人が多くいます。

獲得タイトル

• - NWAパシフィック・ノースウエスト・ヘビー級王座：1回
• - NWA USタッグ王座：1回
• - NWA世界TV王座：1回
• - WCW世界6人タッグ王座：1回

得意技

• - ドロップキック
• - スーパーキック
• - ダイビング・クロス・ボディ
• - スリーパー・ホールド

トム・ジンクの名は、プロレス史においても長く記憶されることでしょう。彼のキャリアを振り返ると、多くの感動や興奮が詰まっています。

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