ハート・ファウンデーション

ハート・ファウンデーション：プロレス史に輝く伝説的タッグチーム

カナダを拠点とするスタンピード・レスリングで鍛え上げられたレスラーたちによって構成されたハート・ファウンデーションは、WWF（現WWE）の歴史において最も記憶に残るタッグチームの一つです。ブレット・ハートを中心としたこのユニットは、その卓越したテクニックとドラマ性あふれるストーリー展開で、長年にわたりファンを魅了し続けました。

WWF黄金期：栄光と抗争の時代

1985年、ブレット・ハートと義兄のジム・ナイドハートによって結成されたハート・ファウンデーション。マネージャーにはジミー・ハート（血縁関係はない）が就任し、ヒールとして鮮烈なデビューを飾ります。

当初は、ブリティッシュ・ブルドッグスやキラー・ビーズといった強豪タッグチームと激しい抗争を展開。悪徳レフェリー、ダニー・デービスとの共謀も辞さず、1987年にはWWF世界タッグ王座を奪取。ブルドッグス、キラー・ビーズ、カンナム・コネクション、ルージョー・ブラザーズといった強敵たちを次々と撃破し、王座を保持し続けました。

しかし、1987年10月、ストライク・フォースに敗れ王座から陥落。その後、ベビーフェイスに転向し、ジミー・ハートやデービスと決別。ブレーン・バスターズやリズム&ブルースといった新たなライバルたちとの抗争を繰り広げながら、WWFを代表するタッグチームとして活躍を続けます。そして1990年、サマースラム'90にてデモリッションを破り、再びWWF世界タッグ王座を戴冠しました。

しかし、1991年レッスルマニア7にて、マネージャーのジミー・ハートの策略によってナスティ・ボーイズに敗れ王座陥落。これを機にハート・ファウンデーションは解散。ブレットはシングルプレイヤーへ、ナイドハートはオーエン・ハートとの新チームを経てWCWへと移籍しました。日本においては、1991年3月30日のSWS東京ドーム大会でザ・ロッカーズと対戦したことが、唯一の来日記録となっています。

新たなるハート・ファウンデーション：反米ヒールとして

1997年、ヒールに転向したブレット・ハートを中心に、ハート・ファウンデーションは再結成されました。このチームは、「ニュー・ハート・ファウンデーション」と呼ばれることもあります。メンバーには、WWFに復帰したジム・ナイドハート、ブレットの実弟オーエン・ハート、義弟のブリティッシュ・ブルドッグ、そしてブライアン・ピルマンが名を連ねました。

カナダを称え、アメリカを痛烈に批判するマイクパフォーマンスで、ストーン・コールド・スティーブ・オースチンやD-ジェネレーションXといったトップレスラーたちと激しい抗争を繰り広げます。しかし、ブレット・ハートとWWFの確執が深まり、ブレットがWCWに移籍。モントリオール事件も発生し、ナイドハートとブルドッグもWCWへ追随。ピルマンの急死もあり、チームは自然消滅しました。WCWでの再結成計画もあったと伝えられています。

WWE殿堂入りとその後

2019年、ブレット・ハートとジム・ナイドハートによるオリジナルのハート・ファウンデーションは、WWE殿堂入りを果たしました。

その後も、ハート・ファミリーの血縁者や弟子たちによって、「ハート・ファウンデーション2.0」や「ハート・ダイナスティ」といったチームが結成され、WWEのリングを盛り上げました。これらのチームは、それぞれの個性とドラマを生み出し、ハート・ファウンデーションの系譜を繋ぎ続けています。

まとめ

ハート・ファウンデーションは、卓越したレスリング技術、魅力的なキャラクター、そして数々の伝説的な抗争によって、プロレス界に不滅の足跡を残しました。その輝かしい歴史は、今もなお多くのプロレスファンを魅了し続けています。彼らの業績は、WWE殿堂入りという形で永遠に称えられ続けるでしょう。

もう一度検索