ハリウッド・ブロンズ

ザ・ハリウッド・ブロンズ：金髪ヒールの伝説的タッグチーム

ザ・ハリウッド・ブロンズは、1970年代にアメリカで名を馳せたプロレスラー、ジェリー・ブラウンとバディ・ロバーツによるタッグチームです。その名の通り、金髪をトレードマークとしたヒール（悪役）として、ゴールデン・グラハムズ、バリアント・ブラザーズ、ブロンド・ボンバーズらと並び、一時代を築きました。

日本では「ハリウッド・ブロンドス」という呼称で親しまれましたが、本稿ではより原音に近い「ハリウッド・ブロンズ」という表記を用います。また、1993年にWCWで活躍したスティーブ・オースチンとブライアン・ピルマンによるリメイク版と区別するため、「オリジナル・ハリウッド・ブロンズ」と呼ばれることもあります。

結成と初期の活躍

オクラホマのNWAトライステート地区で、当初はジャック・ドノバンとジェリー・ブラウンのコンビとして結成されました。しかし、ドノバンの負傷により、バディ・ロバーツが後任として加入。マネージャーにサー・オリバー・フンパーディンクを迎え、1970年から本格的な活動を開始しました。

ベテランのブラウンが試合を組み立て、若手のロバーツが動き回るという戦術で、各地のタッグ戦線を席巻。NWAトライステート地区ではUSタッグ王座を、モントリオールのグランプリ・レスリングではGPWタッグ王座を獲得するなど、数々のタイトルを手にしました。

日本での活躍

1971年10月には「ブロンド・ボンバーズ」のチーム名で国際プロレスに初来日。ラッシャー木村&サンダー杉山組の保持するIWA世界タッグ王座に連続挑戦し、日本のファンに強烈な印象を与えました。1974年1月の再来日でも、同王座に挑戦しています。

1975年8月には、新日本プロレスに初参戦。アントニオ猪木&坂口征二組の北米タッグ王座に挑戦し、ノーコンテストという結果に終わりましたが、その後、王座決定戦で坂口&ストロング小林組を破り、見事チャンピオンに輝きました。しかし、わずか10日後には猪木&坂口組に王座を奪還されています。

その後の活動と解散

1976年には古巣のトライステート地区に戻り、USタッグ王座を再び獲得。その後、フロリダ地区でもフロリダ・タッグ王座を獲得するなど、各地で活躍しました。1978年1月には新日本プロレスに参戦しましたが、同年中にチームは解散。ブラウンはセントラル・ステーツ・レスリング、ロバーツはNWAビッグタイム・レスリングで個別に活動し、1979年8月の新日本プロレスへの来日を最後に、タッグチームとしての活動を終えました。

解散後、ブラウンは引退しましたが、ロバーツはミッドサウス地区でマイケル・ヘイズ&テリー・ゴディと出会い、ファビュラス・フリーバーズに加入。プレイング・マネージャーとして、再びタッグマッチ戦線に参入しました。

リメイク版の登場

オリジナル・ハリウッド・ブロンズ解散後、彼らをリメイクしたタッグチームが各地で登場しました。1970年代末にはWWCでラリー・シャープとジャック・エバンスが、1984年にはNWAジョージア地区でリップ・ロジャースとテッド・オーツがハリウッド・ブロンズを名乗りましたが、いずれも短期間の活動に終わっています。

1993年にはWCWで、スティーブ・オースチンとブライアン・ピルマンがハリウッド・ブロンズを結成。WCW世界タッグ王座を獲得し、リック・フレアー率いるフォー・ホースメンとも抗争するなど、大きな成功を収めました。業界紙レスリング・オブザーバーの1993年度の"Tag Team of the Year"にも選出されています。

獲得タイトル

新日本プロレス
NWA北米タッグ王座：1回
グランプリ・レスリング
GPWタッグ王座：1回
NWAトライステート
NWA USタッグ王座（トライステート版）：5回
チャンピオンシップ・レスリング・フロム・フロリダ
NWAフロリダ・タッグ王座：2回
NWAハリウッド・レスリング
NWAアメリカス・タッグ王座：4回
ミッドアトランティック・チャンピオンシップ・レスリング
NWAミッドアトランティック・タッグ王座：1回
NWAミッドアメリカ
NWA南部タッグ王座（ミッドアメリカ版）：3回

ザ・ハリウッド・ブロンズは、その強烈なキャラクターと実績で、プロレス史に名を刻むタッグチームとして、今もなお多くのファンに愛されています。

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