リック・マーテル

リック・マーテル：華麗なる転身を遂げたプロレス界の貴公子

リック・マーテル（Rick "The Model" Martel）は、1956年3月18日生まれ、カナダ・ケベック州出身の元プロレスラーです。甘いマスクと高い運動能力で、1980年代から1990年代にかけて世界中のファンを魅了しました。ベビーフェイスとしての人気を博した後、ナルシストなヒールへと転身し、その才能を発揮しました。

デビューから国際プロレス参戦

少年時代にレスリングで培った技術を活かし、1972年に16歳でプロレスラーとしてデビュー。兄マイク・マーテルが主戦場としていたカルガリーのスタンピード・レスリングを中心に活動し、1974年にはインターナショナル・タッグ王座を獲得しました。その後、アメリカのNWA主要テリトリーにも進出し、若手時代にはボブ・バックランドとタッグを組んだり、後にAWA世界ヘビー級王座を争うスタン・ハンセンとも対戦しました。

1976年10月には国際プロレスに初来日。寺西勇のIWA世界ミッドヘビー級王座に挑戦するなど、そのレスリングセンスは関係者から高く評価され、ラッシャー木村、サンダー杉山、マイティ井上といった強豪とも対戦しました。

世界各地での活躍とAWA世界王座戴冠

その後もカナダを拠点に、ニュージーランドやジョージアなど世界各地で活躍。NWA英連邦ヘビー級王座を3度獲得し、NWAジョージア・タッグ王座も手にしました。1979年からはパシフィック・ノースウエスト・レスリング（PNW）でロディ・パイパーとのコンビで人気を博し、NWAパシフィック・ノースウエスト・タッグ王座を再三獲得しました。1980年には全日本プロレスにも参戦し、ドス・カラスとも対戦しています。

1984年5月13日、リック・マーテルはAWA世界ヘビー級王座を獲得。ジャンボ鶴田を破っての戴冠は、彼のキャリアにおけるハイライトの一つとなりました。その後、鶴田、ニック・ボックウィンクル、スタン・ハンセンといった強豪を相手に防衛戦を繰り広げ、1985年10月には全日本プロレスでリック・フレアーとのAWA・NWA世界ダブルタイトルマッチも行いました。

WWFでの活躍と「ザ・モデル」への転身

1987年、リック・マーテルはカンナム・コネクションとしてWWFに参戦。その後、ティト・サンタナとのタッグチーム、ストライク・フォースを結成し、WWF世界タッグ王座を獲得しました。1989年からは、ナルシストなヒール「ザ・モデル」に変身。香水スプレーを使った反則攻撃や、ショーン・マイケルズとの抗争など、観客を大いに沸かせました。1990年には日米レスリングサミットにも来日し、ジャンボ鶴田と対戦。1991年のロイヤルランブルでは、当時の最長記録となる53分間の生き残りを果たしました。

WCWでの活動と引退

1997年からはWCWに参戦し、WCW世界TV王座を獲得。しかし、1998年の試合で負傷し、引退を余儀なくされました。引退後は、地元のケベック・シティーで不動産開発事業を手掛けています。

晩年

2007年にはWWEに登場し、往年のファンを沸かせました。リック・マーテルの華麗なレスリングキャリアは、多くのファンにとって忘れられない記憶として刻まれています。

得意技

ベスト・ショット（逆エビ固め）
フライング・ボディ・アタック
フライング・ボディ・プレス
ウラカン・ラナ

獲得タイトル

リック・マーテルは、数々のタイトルを獲得しています。詳細については、inputの情報を参照してください。

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