トヨタ・スプリンターマリノ

スプリンターマリノ：時代を彩った個性派4ドアハードトップ

スプリンターマリノは、1992年5月にトヨタ自動車から発売された4ドアハードトップ型の乗用車です。7代目スプリンター（E100型）の派生車として登場し、トヨタ初のコンパクトクラスにおける4ドアハードトップモデルとして注目を集めました。取扱ディーラーはトヨタオート店（現・ネッツ店）で、生産は関東自動車工業（現・トヨタ自動車東日本）横須賀工場で行われていました。

エクステリアとインテリア

姉妹車としてカローラセレスが存在し、フロントノーズとテールランプのデザインが主な相違点でした。スプリンターが8代目（E110型）にフルモデルチェンジした後も、スプリンターマリノはE100型のまま生産が継続され、エンジンやトランスミッション、サスペンションなどの主要コンポーネントにE110型の部品が移植されました。

装備

全車にメーカーオプションとして「エクストラパッケージ」が用意され、後のグラスコックピットの系譜となる「マルチインフォメーションディスプレイ」が装備されていました。これは、メーターパネル左に設置された小型液晶モニターで、時刻や日付の表示に加え、車両の異常を感知すると警告を表示する機能がありました。この装備は、E100型ではスプリンターマリノとカローラセレスのみに搭載されていました。

また、ハードトップモデルとしては珍しく、後部ドアのガラスが完全に下がる構造となっていました。衝突安全性の向上のため、当時トヨタ自動車の設計標準であった「CIAS（サイアス）」が採用されています。

年表

1992年5月：発売。CMには藤井フミヤが起用されました。グレードは、1.5Lエンジン搭載のF type、1.6Lエンジン搭載のX type、スポーツ仕様の1.6Lエンジン搭載のG typeの3種類。トランスミッションは4速ATと5速MTが設定されました。
1993年5月：E100型セダンならびにトレノのマイナーチェンジに伴う一部改良。エアコンの冷媒にR134aが採用され、G typeのパワーステアリングがプログレッシブタイプでなくなりました。
1994年5月：マイナーチェンジ。フロントバンパー、グリル、リアテールランプのデザインが変更されました。
1995年5月：一部改良。E110系セダンならびにクーペ（トレノ）との部品共通化によるエンジンスペックの変更などが行われました。
1997年5月：一部改良。G typeのMT車が6速化され、メーカーオプションのアルミホイールのデザインが変更されました。
1998年7月：カローラセレスと共にオーダーストップとなり、生産終了。在庫のみの対応となりました。
1998年10月：販売終了。1代限りでモデル廃止となりました。販売終了前月までの新車登録台数は22万1083台でした。

関連項目

トヨタ・スプリンター
トヨタ・カローラ
トヨタ・カローラセレス - 姉妹車
トヨタ・コロナEXiV
トヨタ・カリーナED

外部リンク

* トヨタ スプリンターマリノ - トヨタ自動車公式企業サイト内のページ

スプリンターマリノは、短期間の販売期間でしたが、その個性的なスタイルと装備で、多くのファンを魅了しました。現在でも中古車市場で見つけることができ、その独特な魅力は色褪せていません。

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