トヨタ・セリカLBターボ

トヨタ・セリカLBターボの歴史

トヨタ・セリカLBターボは、1970年代にドイツレーシングカー選手権（DRM）に参加した特別なレーシングカーです。この車両は、初代トヨタ・セリカの2000GTとリフトバック（LB）を基にドイツのシュニッツァーによって開発されたグループ5カーで、特にスポーツカー競技における国際的な地位を確立するために設計されました。

開発と背景

セリカLBターボの開発は、当時のモータースポーツ界を席巻していたポルシェ・935に対抗することを目的としており、グループ5カテゴリにおいても注目された存在となりました。車体は大規模な改造が施され、軽量のグラスファイバーを使用。その一方で、一部のパーツはベースモデルから引き継がれています。特に、ドアパネル前後にはワイドフェンダーが装備され、印象的なフロントノーズが特徴です。

エンジンは市販車に搭載される18R-G型をベースに、ボアアップされて2,090ccまで拡大。特別設計の16バルブヘッドと噴射装置、さらにはKKK製のターボチャージャーが組み合わされ、最高出力は560psに達しました。1977年シーズンのボディカラーは青、1978年には赤と白のツートンが採用され、空力性能を向上させるための改良も行われました。

レース経歴

セリカLBターボは1977年7月にホッケンハイムリンクで行われたDRMシリーズの第8戦で正式にデビュー。ドライバーのハラルド・アートルが操るも、予選ではポールポジションのポルシェから25秒遅れの13位、決勝では4周でリタイア。しかし、その後のニュルブルクリンクでの最終戦では初完走を果たし、4位でフィニッシュしました。また、ゾルダーで開催されたノンタイトルのADACトロフィーでは初優勝を飾りました。

1978年には、前年のポルシェチャンピオン、ロルフ・シュトメレンをドライバーに迎えましたが、厳しいレース展開が続きました。特にエンジン故障やクラッシュが目立ち、2度の完走が叶わず、最後のレースでは大きな悲劇も起きました。この年を最後に、セリカLBターボはレースシーンから姿を消すことになります。

日本での活躍

1979年、トヨタはセリカを日本に輸入し、トムスにより富士スーパーシルエットシリーズに参戦しました。このシリーズでは1978年と同じく赤と白のツートンカラーで出場し、9月には優勝を果たしています。1981年にはトラストからも参戦し、1982年には「トラストツインターボセリカ」としてのエントリーがありました。しかし、1983年にはポルシェ・956へとバトンが渡され、セリカLBターボは次第に使用されなくなりました。

現在の状況

セリカLBターボは、その後長らく行方不明であったものの、2000年代にはトラストカラーの車両が廃車置き場で発見され、のちにレーシングパレスによってレストアされ、当時のカラーリングが復元されました。その姿は、今でも多くのモータースポーツファンに愛されています。

このようにして、トヨタ・セリカLBターボはその独特の歴史やレース成绩で、今なお記憶に残る存在となっています。

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