トライアンフ (空母)

イギリス海軍航空母艦 トライアンフ (HMS Triumph, R16)

トライアンフは、コロッサス級航空母艦の一隻として、ホーソン・レスリー社で建造されました。第二次世界大戦には間に合わなかったものの、朝鮮戦争で重要な役割を果たし、その後は支援艦として運用されました。

設計と建造

1943年1月27日に起工されたトライアンフは、比較的迅速に建造が進みましたが、ヨーロッパ戦線終結の約半年前に進水しました。そして、1946年5月6日に正式に就役しました。

朝鮮戦争での活躍

1950年、トライアンフは極東艦隊の一部として日本の広島県へ巡航中に朝鮮戦争勃発の報を受け、警戒態勢に入りました。姉妹艦シーシュースと共に駆逐艦コサックに護衛され、呉で補給を受けました。その後、駆逐艦コンソート、軽巡洋艦ジャマイカ、オーストラリア海軍のフリゲート ショールヘヴン、イギリス海軍のタンカー ウェーブ・コンカラーと合流し、艦隊として出港しました。

沖縄で給油後、トライアンフは韓国西岸へ向かい、当時極東における唯一のイギリス海軍空母として、朝鮮戦争初期の重要な作戦に参加しました。アメリカ海軍艦隊と合流後、トライアンフ搭載の第827海軍飛行隊は、旧式のシーファイアを用いて多くの戦闘に遭遇しました。また、フェアリー ファイアフライも運用されました。

7月3日には、トライアンフ搭載のシーファイアとファイアフライが、アメリカ空母ヴァリー・フォージの搭載機と共に平壌とChinnamの飛行場を攻撃しました。シーファイアは機敏で高速、かつ信頼性が高く、北朝鮮軍が運用していたソ連製のヤク9と外観が似ていたため、悲劇的な誤認事件も発生しました。

7月19日には、スーパーマリン シーオッターを操縦するP・ケイン中尉が、撃墜されたF4U コルセアのアメリカ軍パイロットを荒海から救助するという heroicな出来事がありました。悪天候の中、シーオッターは着水に成功し、パイロットは無事救助されました。

しかし、7月28日には悲劇的な事故が発生しました。索敵のため展開したシーファイアがアメリカ空軍のB-29爆撃機に誤射され、燃料タンクを撃ち抜かれたのです。パイロットは脱出し、アメリカ海軍の駆逐艦エヴァソールに救助されるまで約1時間海中で待つこととなりました。

その後も、トライアンフは戦闘空中哨戒や対潜水艦作戦を継続し、呉で修理を受けた後、再び韓国西岸に戻り、巡洋艦ケニア、駆逐艦コムス、カナダ海軍のアサバスカン、スーと合流しました。シーファイアは、木浦、群山、Chinnam、仁川などで写真撮影偵察活動を行い、北朝鮮軍の砲艦を破壊、鉄道や小型沿岸船舶、石油タンクへの攻撃も行いました。

戦後の役割

1952年にはアングルド・デッキの試験に用いられ、朝鮮戦争終結後は予備役となり、訓練や公試用の艦となりました。1958年から65年にかけては重工作艦として改修され、ペナント・ナンバーA108を与えられました。シンガポールを拠点として、1968年には極東での艦隊演習に参加し、イギリス海軍および他国海軍の主力艦や駆逐艦、フリゲートと共に活動しました。

トライアンフは重工作艦および輸送艦として使用され、1975年に退役、1981年に除籍され、スペインでスクラップとして廃棄されました。

参考文献

BRITISH AND EMPIRE WARSHIPS OF THE SECOND WORLD WAR（Naval Institute Press）

関連項目

イギリス海軍航空母艦一覧
イギリス海軍艦艇一覧

外部リンク

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