トロンプ (フリゲート・2代)

トロンプ（Zr.Ms. Tromp, F803）について

トロンプはオランダ海軍所属のフリゲートで、デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級の2番艦です。この艦名は、オランダ海軍の著名な英雄であるマールテン・トロンプとその息子コルネリス・トロンプに由来しています。2024年6月現在、艦の指揮を取るのは女性艦長イヴォンヌ・ファン・ブーゼコム中佐です。

艦歴の概要

トロンプは2006年11月に戦域弾道ミサイル（TBM）追跡訓練（TRACKEX）に参加し、ハワイ沖での訓練では改造されたSMART-Lレーダーを初めて使用しました。この訓練では、模擬弾を追尾することに成功し、12月にも同様の成果を収めました。

2010年には、アフリカ沖で海賊退治の任務を遂行しました。特に3月14日に「MVルベック」から救難信号を受け、海賊船を制圧した出来事が注目されます。艦はヘリコプターを発進させ、攻撃を受けている輸送船を助け、次いで母船を拿捕しました。この結果、乗員は全員無事でした。さらに、4月5日には別の海賊船を襲撃し、海兵隊員を甲板に降下させて10人の海賊を捕らえました。

6月1日にはオランダのベアトリクス女王が艦に乗艦し、ノルウェーを訪問しました。

2011年2月には、リビア内戦の影響でオランダ国民の安全な帰還を支援するため、シドラ湾に派遣されました。この任務中に、艦員3人がリビア軍に捕らえられるというトラブルが発生しましたが、無事に解放されました。

2017年には、アメリカのF-16戦闘機が発射した超音速目標に対してミサイルを発射する演習に参加し、最新の軍事技術に対応しました。

NATO海洋グループへの参加

2022年9月11日、トロンプは第1常設NATO海洋グループに参加するために出港し、これは改装後初の派遣となりました。2024年にはNE90ヘリコプターを搭載し、紅海での任務に従事するために出発し、またアスピデス作戦関連の支援も行いました。

この任務中、オランダ海軍としては25年ぶりに戦闘配備状態に引き上げられたことも印象的です。

2024年には、北朝鮮の船舶ルールエンフォースメント任務において、日本の海上自衛隊との初の共同訓練も行いました。その結果、双方の運用能力を向上させることができました。

未来の展望

今後もトロンプはインド太平洋地域で活動を続け、パシフィック・アーチャー2024演習やRIMPAC2024にも参加し、9月にはカリブ海を経由して帰還の予定です。

トロンプの艦歴は、オランダ海軍が直面した厳しい状況や成功を物語るものであり、国際的な安全保障活動において重要な役割を果たしています。今後もその活躍に期待が寄せられています。

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