アスピデス作戦

アスピデス作戦について

アスピデス作戦（Operation Aspides）は、2023年10月に発生した紅海でのイエメンのフーシ派による商船への攻撃に対応する形で、欧州連合（EU）が実施した軍事作戦です。この作戦は、商船やその航行の安全を守るための防衛的任務に特化しており、EUNAVFOR Aspidesとも称されています。

背景

2023年10月7日、イスラエルとハマースとの間で紛争が激化したことを受けて、フーシ派はイスラエルに対する報復として、紅海を航行する商船に攻撃を仕掛けました。その結果、2024年2月までに、少なくとも4隻のEU加盟国籍の船が攻撃を受ける事態となりました。このような状況を踏まえ、EUは航行の自由を確保するためにアスピデス作戦の実施を決定しました。

任務内容

アスピデス作戦の主な目的は、フーシ派の攻撃から商船を守り、自由な航行を保障することです。この作戦による作戦範囲は、紅海、アデン湾、アラビア海、オマーン湾、ペルシア湾の国際水域を含み、重要な航路であるバブ・エル・マンデブ海峡やホルムズ海峡も含まれています。また、アスピデス作戦は、同じくEUが担っているソマリア沖の海賊対策であるアタランタ作戦との連携を強化する方針です。

参加部隊と指揮体制

作戦指揮官は、ギリシャのラリサにある欧州連合作戦司令部（EL EU OHQ）に置かれ、ギリシャ海軍のヴァシリオス・グリパリス少将が指揮を執ります。作戦司令部は約130名の要員で構成され、そのほとんどがギリシャ海軍ですが、スウェーデンやフィンランドからも部隊が参加しています。作戦参加の艦船には、イタリアの駆逐艦「カイオ・ドゥイリオ」とフリゲート「ヴィルジニオ・ファサン」などがあり、各艦船は航行の支援役を担い、護衛任務を遂行しています。

以降の旗艦は、オランダ海軍の統合支援艦「カレル・ドールマン」など、段階的に交代し続けます。

作戦の進行

作戦は2024年2月19日に開始され、早くも2月27日にドイツ海軍のフリゲート「ヘッセン」がフーシ派の無人航空機の迎撃に成功し、初の交戦が発生しました。2024年5月までには、護衛した商船の数は120隻に上り、フーシ派からの脅威に対して無人航空機12機、無人水上艇1隻、弾道ミサイル4発を撃墜する成果を上げています。

結論

アスピデス作戦は、複雑な国際情勢の中で、EU加盟国の安全を確保するために重要な役割を果たしています。フーシ派の挑発的な行動に対抗し、商船の航行の自由を守ることは、国際海運にとっても非常に重要な課題とされており、今後の展開が注目されます。

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