トーリー党 (イギリス)

トーリー党の歴史と影響

トーリー党（Tory Party）は、イギリスの政治史における重要な政党であり、後の保守党の前身とされます。トーリーの名称は、カトリックであるチャールズ2世の弟、ヨーク公ジェームズの王位継承を支持した人々に由来し、彼らは敵対するホイッグ党により「トーリー」と呼ばれました。この言葉はアイルランド語で「盗賊」を意味し、イギリスの支配に抵抗していた人々を指していました。

初期の発展

トーリー党の歴史は、1660年の王政復古に遡ります。この時期、チャールズ2世には嫡子がなく、次期王位には弟のジェームズが最有力とされました。しかし、ジェームズはカトリック教徒であったため、プロテスタントが国教であるイングランドでは彼の即位に対する反発が激しく、議会では支持派と反対派が対立しました。

トーリー党は王権神授説を支持し、国教会の擁護者として王権を尊重する立場を取っていました。一方でホイッグ党は、議会の権利や非国教徒への寛容を重視し、王権の制約を求めていました。両党は当初は統一された政党ではなく、様々な派閥から形成されていました。

王位継承を巡る激動

1678年にはカトリック陰謀事件が発生し、多くの無実のカトリック教徒が処刑されました。この騒動の中で、後にトーリーの圧力を受けてチャールズ2世は議会を解散することを余儀なくされました。この結果、ホイッグ党が主導権を握り、議会での法案提出が続けられましたが、トーリー党は依然として影響力を保持しました。

トーリー党の成長は、チャールズ2世が自身の資金を増やし、議会を開かずに政権を運営できるようになったことにもよります。彼はまた、都市の特権を手放し、トーリー支持を集めることで党の権力を強化しました。

名誉革命とその後の展開

1688年、ジェームズ2世の後にカトリック王が即位する可能性が高まると、トーリー党とホイッグ党は共同で彼を追放することを決定しました。オランダからメアリーとウィレム3世を迎えることで、彼らの即位を実現し、名誉革命が成し遂げられました。この過程で、トーリー党は彼の即位を認めたものの、政権崩壊後には再びホイッグの主導となりました。

トーリー党はアン女王の治世で復活し、彼女の支持を得ることで政権を形成しました。しかし、党内の内紛に悩まされ、1714年にアンが死去すると、ホイッグ党が政権を掌握しました。これにより、トーリー党は野党に転落しましたが、議会における体制変革が進む中で立ち直る機会を伺いました。

二大政党制の確立

1830年代には、トーリー党とホイッグ党が政界での新たな役割を担うようになり、トーリー党は「保守党」として再スタートを切りました。部門の支持基盤を強化しつつ、工業化の進展に伴う労働者の権利問題にも直面しました。これを背景に、党はより現代的な政党組織へと変貌を遂げました。

その後、トーリー党はイギリス政治における主要な勢力として存在し続け、特に保守主義が浸透する中で、党名は「保守党」として広く認知されるようになりました。今日のイギリス政治においてその影響は依然として重要であり、二大政党制の一翼を担い続けています。### まとめ
トーリー党はその歴史を通じて、王権の維持、カトリック教徒の排除、西欧の保守思想の形成に大きな役割を果たしました。また、トーリー党から保守党への変遷は、イギリスの政界における重要なイベントとして評価されています。

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