ドリームファクトリー (企業)

株式会社ドリームファクトリー：格闘ゲームのDNAを受け継ぐ開発スタジオ

株式会社ドリームファクトリー（DREAM FACTORY Co. Ltd.）は、東京都港区に拠点を置くゲームソフト開発とコンピュータグラフィックス制作の会社です。愛称は「ドリフ」または「ドリファク」として親しまれています。

概要

1995年11月、ゲーム業界に名を馳せる石井精一によって設立されました。石井は、3D対戦格闘ゲームの金字塔である『バーチャファイター』（セガ）と『鉄拳』（ナムコ）の両タイトルに深く関わった人物です。設立当初のスタッフもセガやナムコから引き抜かれた精鋭たちで構成されており、「バーチャと鉄拳のスタッフが手掛ける新作」という触れ込みは、大きな注目を集めました。

1996年には、スクウェア（現スクウェア・エニックス）の出資を受け、初の自社開発タイトル『トバルNo.1』をリリース。当時話題沸騰中だった『ファイナルファンタジーVII』の体験版を同梱したことで、66万本という驚異的なセールスを記録しました。この成功を機に、ドリームファクトリーは対戦格闘ゲームを中心に開発を進めていくことになります。

翌1997年には、続編となる『トバル2』を発売。前作の地味な印象を払拭しきれず、売り上げは40万本に留まりましたが、3D空間を活かした独自のゲームシステム、より高品質な鳥山明氏のキャラクターモデリング、そして圧倒的なボリュームは、前作からの大きな進化を感じさせました。その後、ナムコとの共同開発で『エアガイツ』をアーケード市場に投入し、2000年にはプレイステーション2初期のキラータイトルとして『バウンサー』をリリースしました。

設立当初はスクウェア傘下でしたが、映画事業の失敗によりスクウェアが経営不振に陥った2001年12月に資本関係を解消し、独立。この際、一部の社員はセガやナムコに復帰しました。

代表取締役の石井精一は、『バウンサー』の開発中に過度のストレスから帯状疱疹を発症。「このままでは生命の危険がある」という医師の診断を受け、2003年に生活環境を変えるため、家族と共にカナダ・モントリオールへ移住。2024年現在も、現地からドリームファクトリーの経営を続けています。

2005年以降は、アニメなどの他社IPを基にしたゲームの受託開発が中心となり、ドリームファクトリーの名前が表に出る機会は少なくなりました。

沿革

1995年（平成7年）11月 - 東京都渋谷区恵比寿南に設立。
2007年（平成19年）3月 - 東京都五反田に事務所を移転。

主なゲームタイトル

トバルNo. 1
トバル2
エアガイツ
バウンサー

主な参加アニメーション

ゾイド新世紀/ゼロ
アップルシード (2004年の映画版)


ドリームファクトリーは、黎明期からゲーム業界を支えてきた開発者たちの情熱と技術が結集したスタジオであり、その歴史は日本のゲーム史における重要な一部分を担っています。

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