ドージマムテキ

ドージマムテキ：クラシックから短距離、そして海外遠征へ

1990年3月31日生まれのドージマムテキは、日本の競走馬として1990年代半ばから2000年代初頭にかけて活躍しました。華々しいデビューから、海外遠征での貢献、そして功労馬としての余生まで、その生涯は数々のドラマを織りなしています。

デビューから2連勝を飾り、クラシック戦線への期待が高まりましたが、皐月賞、東京優駿では思うような結果を残せず。しかし、その後短距離路線に転向すると、持ち前の才能が開花し始めます。マイルチャンピオンシップ3着、スプリンターズステークス6着など、安定した成績を収め、1995年には京王杯オータムハンデキャップで重賞初制覇を達成。皐月賞馬ジェニュインや、後にスプリンターズステークスを制するヒシアケボノらを破る快挙でした。

この勝利をきっかけに、ドージマムテキは短距離戦線で活躍を続けました。香港遠征にも参加。登録名は「堂山無敵」と表記され、その理由については諸説ありますが、詳細は不明です。日本国内でも安定した成績を残し続け、多くの競馬ファンを魅了しました。

1998年後半からは、年齢による力の衰えが見られるようになり、2ケタ着順が増えてきました。しかし、ここでドージマムテキの新たな活躍の場が開かれます。豊富な海外遠征経験を生かし、帯同馬として活躍するようになったのです。

10歳、11歳時には、同じ森秀行厩舎所属のアグネスワールド（ヒシアケボノの弟）と共に欧州遠征に参加。アグネスワールドの海外G1制覇に貢献するなど、陰ながらその存在感を示し続けました。

晩年、森厩舎のスタッフからは「ジイさん」の愛称で親しまれ、馬なり1ハロン劇場ではシーキングザパールの御目付け役として登場。そのユーモラスな姿は、多くの競馬ファンの記憶に刻まれています。11歳時のモーリス・ド・ゲスト賞を最後に現役を引退。

引退後は生まれ故郷の堂島牧場で余生を送り、2010年11月7日に11歳でその生涯を終えました。競走馬としての8年間、そして功労馬としての一生は、多くの競馬関係者やファンに深い感動を与え、長く記憶されることでしょう。

血統と家族

ドージマムテキの血統は、4代母にニュージーランドから輸入されたダイワニシキを持つ豪サラ系。3代母の父には、映画「羅生門」から名前を取ったラシヨウモンという菊花賞5着馬の名が挙げられています。また、父方における全兄タカクラヤマとの珍しい全兄弟クロスも特徴的です。半妹コクサイリボンの子であるドリームスカイは、東京ダービーの優勝馬という華々しい実績を持っています。

ドージマムテキの生涯は、競走馬としての華麗な活躍だけでなく、その人となり、そして周りの人々との温かい交流を通して、多くの感動と記憶を残しました。その名は、競馬史に燦然と輝く、名脇役として永遠に語り継がれることでしょう。

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