ナイアガラフォールズ (オンタリオ州)

ナイアガラフォールズ：滝が織りなす観光都市

ナイアガラフォールズは、カナダのオンタリオ州南西部に位置する都市で、世界三大瀑布の一つであるナイアガラの滝があることで知られています。人口は約9万4千人（2021年）で、「ハネムーン・シティ」とも呼ばれ、新婚旅行先としても人気があります。アメリカ側のニューヨーク州にも同名のナイアガラフォールズ市があり、両岸で観光地として発展しています。

歴史

この地には、かつてイロコイ族の先住民が暮らしていました。17世紀にはフランス人司祭ルイス・ヘネピンが訪れ、その後ヨーロッパ人の入植が始まりました。19世紀初頭から観光業が発展し、新婚旅行先としての宣伝も積極的に行われました。

1914年にはナイアガラフォールズ平和会議が開催され、1970年には周辺の町村を合併し、現在の市域となりました。

地理

ナイアガラフォールズ市は、エリー湖からオンタリオ湖へ流れるナイアガラ川と、ナイアガラの滝に沿って形成されています。トロントからは約130kmの距離にあり、高速道路で結ばれています。

地形

ナイアガラ川とナイアガラの滝が、この都市の地形を特徴づけています。

気候

気候は比較的穏やかですが、夏と冬の寒暖差が大きいです。

人口動勢

2006年の国勢調査によると、人口は8万2千人を超え、広域圏では42万人以上が暮らしています。高齢化が進んでおり、14歳以下の割合は18%、65歳以上は17%となっています。住民の83%がキリスト教徒で、カトリックとプロテスタントが多数を占めます。無宗教の人も14%ほど存在し、その他、少数ではありますが、ユダヤ教、仏教、ヒンドゥー教、イスラム教などの宗教を信仰する人もいます。

経済

20世紀初頭から中頃にかけては、滝の水力を利用した電子化学や電子冶金などの産業が発展しましたが、1970年代以降は国際競争により撤退が進みました。現在では観光業が最も重要な経済基盤となっており、アメリカ側よりも滝の眺望が良いことから、多くの観光客が訪れます。また、オンタリオ州では19歳から飲酒が認められており、アメリカよりも飲酒年齢が低いため、若い世代を呼び込む効果もあります。

1990年代にはカジノが合法化され、「カジノ・ナイアガラ」や「ナイアガラ・フォールズビュー・カジノ・リゾート」が建設され、観光客の増加に貢献しました。しかし、アメリカ側にもカジノができたことや、カナダドルの変動、入国審査の厳格化などにより、アメリカからの観光客は減少傾向にあります。

近年では、クリフトンヒルとフォールズビュー地区が開発の中心となり、ダウンタウンは空き店舗が目立つようになっています。

行政

ナイアガラフォールズ市議会は、市長と8名の議員で構成されており、4年ごとに選挙が行われます。

教育

ナイアガラ教育委員会とナイアガラ・カトリック教育委員会の2つの委員会が、地域の小中学校を運営しています。また、多くの私立学校も存在します。

高等教育機関

ブロック大学（セントキャサリンズ市内）
ナイアガラ・カレッジ（ウェランド、ナイアガラフォールズ、ナイアガラオンザレイク）

高等学校

セント・マイケル・カトリック高等学校
ウエストレイン・セカンダリー学校
スタンフォード・カレジエイト
A Nマイヤー・セカンダリー学校
セント・ポール・カトリック高等学校

図書館

市内には本館と4つの分館があり、週に1万人が利用しています。ナイアガラに関する歴史資料も豊富に公開されており、オンラインで2万点以上の写真や芸術作品を見ることができます。

文化・行事

冬の光の祭典

11月初旬から1月初旬まで開催されるイルミネーションイベントです。

観光地区

ナイアガラの滝を中心に、エリー湖からオンタリオ湖まで広がるエリアが観光地として開発されています。滝周辺はナイアガラ・パークスによって管理され、滝や自然のアトラクションに加え、カジノや娯楽施設も多数存在します。また、ナイアガラ半島はワイン産地としても知られ、ワイナリーツアーなども人気です。

滝の展望

霧の乙女号
ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズ (JBF)
スカイロン・タワー
ナイアガラの花火
ナイアガラ・イルミネーション
ナイアガラ・ヘリコプターズ
ナイアガラ・スカイウィール（観覧車）

ナイアガラ川周辺

ナイアガラ植物園
花時計
ワールプール・エアロカー
ホワイト・ウォーター・ウォーク
冬の光の祭典
蝶観察館
ナイアガラ・ヘリテージ・トレイル
ダファリン諸島
ワールプール・ジェットボート

ゴルフコース

観光スポット

クリフトンヒル
マリンランド
IMAXシアター
グレッグ・フリューイン劇場

カジノ

カジノ・ナイアガラ (1996年オープン)
フォールズビュー・カジノ (2004年オープン)

交通

道路

ナイアガラフォールズ市は、カナダとアメリカの主要高速道路で結ばれています。トロントとバッファロー間を結ぶ重要なルートでもあります。ナイアガラ・パークウェイはナイアガラ・パークスが運営しています。

空港

バッファロー・ナイアガラ国際空港（ニューヨーク州）
トロント・ピアソン国際空港（オンタリオ州）
ハミルトン・ジョン・C・マンロ国際空港（オンタリオ州）
ナイアガラ・ディストリクト空港（オンタリオ州）

これらの空港へはシャトルバスが運行しています。

鉄道

VIA鉄道とGOトランジットの駅があり、アムトラックの国際列車も停車します。

バス

ナイアガラフォールズ交通局のバスのほか、トロントやバッファローからの長距離バスも運行しています。

メディア

地元には2つの新聞社、3つのラジオ局、1つのコミュニティテレビ局があります。また、ハミルトン、トロント、バッファローからのメディアも利用されています。

新聞社

ナイアガラ・ディス・ウィーク
ナイアガラフォールズ・レビュー

ラジオ局

710 AM - CJRN (観光情報)
101.1 FM - CKEY
105.1 FM - CFLZ

テレビ局

TV Cogeco (ナイアガラフォールズのコミュニティ局)
CIII-TV55 (グローバル・テレビジョン)
CHCH (ハミルトンからナイアガラ地域に放送しているテレビ局)

スポーツ

ナイアガラフォールズ・カナックス（ジュニア・ホッケーチーム）があります。

出身人物

ウイリアム・ジオーク（化学者）
ゴードン・シングルトン（自転車競技選手）
アーネスト・キルボルン（宣教師）
ジェニファー・ブレイク（プロレスラー）
ハロルド・ハワード（総合格闘家）
ラッセル・タイバート（サッカー選手）

外部リンク

ナイアガラ・フォールズ市公式サイト
ナイアガラ観光局公式サイト
ナイアガラ観光局公式サイト(日本語)
クリフトンヒル地区
ナイアガラ公園管理局
ナイアガラ半島コミュニティサイト
* ナイアガラ・トランジット

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