ナイジェル・マッギネス

ナイジェル・マッギネス：英国が生んだ技巧派レスラーの軌跡

ナイジェル・マッギネス、本名スティーブン・ハースは、その卓越した技術とインテリジェントな試合運びで、インディープロレス界に名を刻んだ英国出身のプロレスラーです。現在はWWEの解説者として、その豊富な知識と冷静な分析でファンを魅了しています。

プロレスラーとしての原点

幼少期からプロレスに熱中し、特にハート・ファウンデーションやブリティッシュ・ブルドッグスに憧れを抱いていたマッギネス。大学で化学を専攻した後、プロレスラーになる夢を諦めきれず、1998年にWWE傘下のHWAでトレーニングを開始します。インディー団体での苦労を経験し、資金を貯めるために一時帰国するなど、プロレスへの情熱は人一倍でした。

ROHでの躍進

2003年、ROHに初参戦。当初は目立った活躍はできませんでしたが、2005年にコルト・カバナとのタッグでROHタッグ王座に挑戦したことをきっかけに、シングルプレイヤーとしての才能を開花させます。サモア・ジョーを破りROHピュア王座を獲得。クラウディオ・カスタニョーリとの抗争では、ダーティーな戦法も駆使して王座防衛を重ね、観客を大いに沸かせました。

2005年からはプロレスリング・ノアにも参戦。ダグ・ウィリアムスとのタッグでGHCタッグ王座に挑戦するなど、日本のファンにもその名を知られるようになります。

2007年、ROH世界王座を戴冠。オースチン・エリーズ、ブライアン・ダニエルソン、タイラー・ブラックら強豪を相手に防衛戦を繰り広げ、その評価を不動のものとしました。ノアの森嶋猛、KENTA、潮﨑豪らとも激闘を繰り広げ、ROHとノアの架け橋としての役割も果たしました。

TNAでの挫折と引退

2009年、TNA（現インパクト・レスリング）に移籍し、デズモンド・ウルフとリングネームを改めカート・アングルと抗争するなど活躍が期待されましたが、肝炎を患い長期欠場を余儀なくされます。2011年にTNAを解雇され、同年、ROHの解説者として復帰。レスラーとしての復帰を断念し、引退を発表しました。

現在はWWEの解説者として活躍

引退後は、WWEの解説者として新たなキャリアをスタート。Main Event、205Live、NXTなどで、的確かつ情熱的な解説を披露し、多くのファンから支持されています。その知識と経験を活かし、次世代のプロレスラー育成にも貢献しています。

得意技

ジョーブレイカー・ラリアット: ロープの反動を利用した強烈なラリアット。現在の主なフィニッシュホールド。
ロンドン・ダンジョン: キャメルクラッチからの関節技。潮﨑豪戦で初公開し、フィニッシュホールドとして多用。
タワー・オブ・ロンドン: コーナートップに座らせた相手に仕掛ける変形エース・クラッシャー。
ガバナーズ・クランペット: ハンマーロックに捉えた相手をマットに叩きつけるフェイスクラッシャー。
ヨーロピアン・アッパーカット: エルボー・スマッシュ。

タイトル歴

ROH世界王座：1回（第10代）
* ROHピュア王座：1回（第6代）

その他、アメリカのインディー団体で多数のタイトルを獲得。

ナイジェル・マッギネスは、その類まれなる才能と努力で、プロレス界に確かな足跡を残しました。これからの解説者としての活躍にも期待が高まります。

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