ナシクニン

ナシクニン：インドネシアを彩る黄金のご飯

ナシクニン(nasi kuning)は、インドネシアで親しまれている、ウコンとココナッツミルクで炊き上げた黄色いご飯です。

その鮮やかな黄色は、インドネシア文化において幸運や繁栄を象徴しており、特別な日には欠かせない存在となっています。
日本の赤[[飯]]のように、お祝い事の席で振る舞われることも多く、日常食としても白[[米]]の代わりに食卓に上ります。

ご飯を炊き込む際には、コブミカンの葉やレモングラス、パンダンリーフなどの香草を加えることで、独特の芳香と風味を醸し出しています。
「nasi kuning」とはインドネシア語で「黄色いご飯」を意味し、その名の通り、ウコンの色が特徴的です。

ナシクニンに添えられるおかずは地域によって多様性に富んでいます。ジャワ島では、錦糸卵、乾煎りココナッツフレーク、サンバルで炒めたテンペとジャガイモ、フライドチキン、揚げジャガイモ、フライドオニオンなどが一般的です。一方、スラウェシ島のマナドでは、カツオのフレークがトッピングされることが多いようです。

[ビュッフェ]]形式で様々な料理から選べるナシチャンプル]でも、[[白[[米]]の代わりにナシクニンを選べる店もあります。ナシチャンプルは、ご飯の上に様々なおかずを乗せて食べるインドネシア料理です。

トゥンペン：神聖な山の形を模した盛り付け

ナシクニンは、独特の盛り付け方法であるトゥンペン(tumpeng)で供されることもあります。
トゥンペンは、円錐状に盛られたご飯の周りを様々なおかずで囲んだものです。
この盛り付けはジャワ島発祥で、神聖な山、特に火山を模しており、神への感謝を表す意味を持っていました。

現在では、インドネシアの独立記念日、誕生日パーティー、出産祝い、開店祝い、結婚式など、おめでたい席でよく見かけるようになりました。
トゥンペンの頂上部分は、その日の主役が食べる権利があるとされています。

バリヒンドゥー教とナシクニン

バリヒンドゥー教では、赤、黒、白、黄の四色が神聖な方角を表しています。
言い伝えによると、昔、神々はバリの人々に四色のお米を与えようとしたのですが、それを運んでいた鳥が黄色の米（古代米）を食べてしまいました。

僅かに残った米を鳥の巣の近くに植えると、ウコンの木が生えてきたと言われています。
バリ島ではもともと黄色の米が取れないため、白いご飯にウコンを混ぜてナシクニンを作るようになったという説があります。

バリヒンドゥー教の祭日であるクニンガン（送り盆）では、ナシクニンを供える習慣があります。

ナシクニンは、その見た目、香り、そして込められた意味から、インドネシアの人々の生活に深く根付いた料理と言えるでしょう。
様々な地域で独自の調理法や盛り付け、そして副菜の組み合わせが発展し、多様なバリエーションが存在するのも特徴です。
これからもインドネシアの人々の文化と歴史を伝える、大切な料理として受け継がれていくことでしょう。

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