ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 (2018年)

第90回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞：2018年の映画界を彩った輝ける受賞作品たち

2018年11月27日、映画批評家らで構成されるナショナル・ボード・オブ・レビューが、その年の優れた映画を表彰する第90回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞を発表しました。本記事では、各部門の受賞作品・受賞者と、その魅力を詳しく解説します。

作品賞
栄えある作品賞に輝いたのは、ピーター・ファレリー監督による『グリーンブック』です。人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人ピアニストと白人運転手の交流を描いた本作は、社会問題をユーモラスかつ感動的に描き、多くの観客の心を掴みました。

作品賞トップ10
作品賞受賞作に加え、以下10作品がトップ10にランクインしました。
『バスターのバラード』
『ブラックパンサー』
『ある女流作家の罪と罰』
『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』
『魂のゆくえ』
『ビール・ストリートの恋人たち』
『メリー・ポピンズ リターンズ』
『クワイエット・プレイス』
『ROMA/ローマ|ROMA_ローマ』
『アリー/ スター誕生|アリー_ スター誕生』

監督賞
ブラッドリー・クーパーが『アリー/ スター誕生|アリー_ スター誕生』で監督賞を受賞。本作は、レディー・ガガ演じる若きシンガーと、ベテランミュージシャンとのドラマティックな物語で、クーパーの演出力も高く評価されました。

主演男優賞・主演女優賞
主演男優賞は『グリーンブック』のヴィゴ・モーテンセン、主演女優賞は『アリー/ スター誕生|アリー_ スター誕生』のレディー・ガガが受賞。どちらも圧倒的な演技力で観客を魅了し、その実力が認められました。

助演男優賞・助演女優賞
助演男優賞は『アリー/ スター誕生|アリー_ スター誕生』でサム・エリオット、助演女優賞は『ビール・ストリートの恋人たち』でレジーナ・キングが受賞しました。脇を固める名優たちの存在感が、それぞれの作品に深みを与えていました。

アンサンブル演技賞
華やかなキャスト陣が魅力の『クレイジー・リッチ!』がアンサンブル演技賞を受賞。豪華な共演陣による息の合った演技が評価されました。

ブレイクスルー演技賞
『足跡はかき消して』で鮮烈な演技を披露したトーマサイン・マッケンジーが、ブレイクスルー演技賞を受賞。今後の活躍が期待される若手俳優です。

新人監督賞
『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』のボー・バーナムが、新人監督賞を受賞。本作は、思春期の少女の繊細な心情を巧みに描いた作品として高く評価されています。

脚本賞・脚色賞
『魂のゆくえ』のポール・シュレイダーが脚本賞を、『ビール・ストリートの恋人たち』のバリー・ジェンキンスが脚色賞を受賞しました。それぞれの作品の世界観を支える、優れた脚本が評価されました。

インディペンデント映画トップ10
以下10作品がインディペンデント映画トップ10に選出されました。
『スターリンの葬送狂騒曲』
『荒野にて』
『足跡はかき消して』
『Mid90s ミッドナインティーズ』
『さらば愛しきアウトロー』
『ザ・ライダー』
『search/サーチ』
『ホワイト・ボイス』
『We the Animals』
『ビューティフル・デイ』

アニメーション映画賞
『インクレディブル・ファミリー』（ブラッド・バード監督）がアニメーション映画賞を受賞。

外国語映画賞
ポーランド映画『COLD WAR あの歌、2つの心』（パヴェウ・パヴリコフスキ監督）が外国語映画賞を受賞しました。

外国語映画トップ5
以下5作品が外国語映画トップ5に選出されました。
『バーニング 劇場版』 (韓国)
『ジュリアン』(フランス)
『THE GUILTY/ギルティ』(デンマーク)
『幸福なラザロ』(イタリア)
『万引き家族』(日本)

ドキュメンタリー映画賞
『RBG 最強の85才』（ベッツィー・ウェスト、ジュリー・コーエン監督）がドキュメンタリー映画賞を受賞しました。

ドキュメンタリー映画トップ5
以下5作品がドキュメンタリー映画トップ5に選出されました。
『Crime + Punishment』
『フリーソロ』
『行き止まりの世界に生まれて』
『同じ遺伝子の3人の他人』
『ミスター・ロジャースのご近所さんになろう』

スポットライト賞・表現の自由賞
スポットライト賞には『風の向こうへ』と『オーソン・ウェルズが遺したもの』、表現の自由賞には『7月22日』と『ナディアの誓い -On Her Shoulders』がそれぞれ選出されました。

第90回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞は、2018年の映画界を彩った様々な作品と才能を称える、記憶に残る授賞式となりました。

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