ナスダックパワー

ナスダックパワー

ナスダックパワー（欧字名: Nasdaq Power）は、1998年に生まれた日本の競走馬および種牡馬です。彼は特に2001年に東京競馬場で行われたユニコーンステークス（GIII）を制し、タヤスツヨシ産駒として中央競馬の重賞を果たした初めての馬として、多くの競馬ファンの記憶に残っています。

経歴

デビューまで

ナスダックパワーは北海道浦河町の櫛桁牧場で生産されました。父はタヤスツヨシで、1995年の東京優駿（日本ダービー）を制覇した名馬です。一方、母はリプルスであり、彼女も地方競馬で活躍していました。彼が誕生した際、牧場では「ゆったりとした馬」という評価が下されており、期待を寄せられていました。

2歳になったナスダックパワーは、第1回セレクトセールに上場され、735万円で日本中央競馬会（JRA）に落札されました。日高育成牧場での育成を経て、栗東トレーニングセンターに所属する石坂正調教師のもとで競走馬としての道を歩み始めました。デビュー当初は山田芳昭が所有していましたが、後に鋤元節夫に名義が変更されました。

競走馬時代

ナスダックパワーは2000年に3歳馬として小倉競馬場の新馬戦でデビューしましたが、続くレースでの連敗に苦しみました。未勝利戦でも勝利を果たせないまま、年を越え、2001年3月に阪神競馬場でダートレースに転向し、ついに初勝利をあげました。以降、彼はダートに専念し、成績を向上させていきました。

特に2001年5月の昇竜ステークスでは、強力な追い込みで勝利を収め、続くユニコーンステークスでは重賞初挑戦ながら制覇を果たします。このレースは毎年若馬たちがGI級へのステップを図る重要な競走として知られており、ナスダックパワーは見事にその期待に応えました。レースでは、ペースが速い中、直線で先頭に立つと、一気に突き放し、最終的にはフジノテンビーを2馬身半差で退ける圧巻の走りを見せました。

しかし、ユニコーンステークス制覇後は怪我に悩まされ、右前脚の屈腱炎を抱えることになり、長期休養を余儀なくされました。そして2003年に5歳を迎えた際、ついに中央競馬への出走が不可能になり、引退を余儀なくされました。

地方競馬時代

その後、ナスダックパワーは負傷からのリハビリを経て、地方競馬に転向します。門別競馬場で再調整を受け、移籍から7ヶ月後の2003年8月20日に復帰戦を迎え、2着と奮闘しました。その後も不安を抱えながらも、全力を尽くし続け、10月にはホッカイドウ競馬で復活の勝利を果たします。

2004年に入ると、現役を続行し、7レースをこなしたものの、2004年10月には地方競馬の競走馬としての登録が抹消され、引退を迎えました。

種牡馬としての活動

引退後は種牡馬としての道を歩み、2005年から2012年まで供用されました。交配した繁殖牝馬は毎年10頭以下で、8年間で21頭の産駒が誕生し、そのうち12頭が勝利を挙げました。2012年には用途変更となりましたが、ナスダックパワーは彼の獲得したタイトルや成績と同じく、多くの競走馬に影響を与え続けています。

ナスダックパワーはその名声と実績、そして彼の血筋を次世代につなげる重要な役割を果たしました。

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