ナムトック駅

ナムトック駅：歴史と観光が交差する場所

タイ王国カーンチャナブリー県サイヨーク郡に位置するナムトック駅は、タイ国有鉄道南本線の駅であり、旧泰緬鉄道の終着駅として知られています。この駅は、タイの歴史と観光の両方にとって重要な場所であり、多くの旅行者にとって魅力的な目的地となっています。

概要

ナムトック駅は、タイ国有鉄道南本線のナムトック支線（旧泰緬鉄道）の終着駅として公式に認められています。二等駅であり、旧トンブリー駅から194.24kmの地点に位置しています。タイは観光大国として知られていますが、ナムトック駅のある通称ナムトック線は、その路線自体が観光の対象となっています。バンコクからナムトック駅へ向かう途中には、映画「戦場にかける橋」で有名なクウェー川に架かる鉄橋、アルヒル桟道橋、チョンカイの切り通しなど、多くの見どころがあります。

1日あたり8列車（4往復）が発着しており、そのうち2往復はバンコクトンブリー駅発着です。かつてはクルンテープ駅から発着していましたが、バンコク都内の渋滞緩和のため、トンブリー駅発着に変更されました。公式にはナムトック駅が終点ですが、実際には2004年に路線が1.4km先のナムトック・サイヨーク・ノーイ停車場まで再開通しています。この区間は非公式な営業区間であり、週末のみ運行する臨時観光列車などが運行しています。

この区間は元々、ナムトック駅での機廻しや、スイッチバック方式の留置線への入れ替えのために使用されていた引上線を延長したものであり、公式な営業区間ではないため、再開通と呼ぶには議論の余地があるかもしれません。臨時観光列車は通常、気動車で運行されますが、ナムトック・サイヨーク・ノーイ停車場は単線終端型の構造のため客車列車の機廻しができません。そのため、貸切車両などの理由で客車列車が使用される場合は、ナムトック駅で運転を終えることになります。

歴史

ナムトック駅の歴史は、第二次世界大戦中の1942年から1943年にかけて建設された泰緬鉄道と深く関わっています。この鉄道は、大日本帝国陸軍によって建設され、多くの犠牲者を出しました。戦後、タイ政府が連合軍からこの鉄道を購入し、整備を経て再開されました。

1949年6月24日：ノーンプラードゥック分岐駅 - カーンチャナブリー駅間が開業（52.85km）
1952年4月1日：カーンチャナブリー駅 - ワンポー駅間が開業（61.06km）
* 1958年7月1日：ワンポー駅 - ナムトック駅間が開業（16.14km）

駅構造

ナムトック駅は、単式ホーム1面1線を有する地上駅です。駅舎はホームに面しており、一見水平に見えるホームも実際は緩やかな勾配の上にあります。本線に沿った駅舎の反対側には、同じく緩やかな勾配のかかった機廻し線があります。トンブリー駅発着の列車は、ここで機関車の付け替えを行います。

駅の西側には、水平に盛り土されたスイッチバック方式の留置線が2線あります。長時間の車両留置を行う場合は、安全性確保のために、ナムトック・サイヨーク・ノーイ停車場方面に一旦車両を引き上げた後、方向転換して留置線上に留め置かれます。

駅周辺

駅の周辺には、退役した蒸気機関車702号機（旧国鉄C56形[[蒸気機関車]]C56 4、1935年三菱重工業製）が、ナムトック・サイヨーク・ノーイ停車場に静態保存されています。この蒸気機関車は、歴史的な価値を持ち、鉄道ファンにとっても見逃せないスポットです。

ナムトック駅は、その歴史的な背景と周辺の観光名所により、多くの旅行者にとって魅力的な場所です。この駅を訪れることで、タイの鉄道の歴史と、その美しい自然を体験することができます。

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