カーンチャナブリー駅

カーンチャナブリー駅は、タイ王国中部のカーンチャナブリー県ムアンカーンチャナブリー郡に位置する、タイ国有鉄道南本線の駅です。この駅は、旧泰緬鉄道の一部であるナムトック支線上にあり、タイの歴史と文化に触れることができる重要な場所となっています。

駅の概要

カーンチャナブリー駅は、県庁所在地であるムアンカーンチャナブリー郡に位置し、約15万人の人々が生活するエリアの中心的な駅です。旧トンブリー駅から117.04kmの地点にあり、普通列車を利用すると約2時間45分で到着します。一等駅として1日に6本（3往復）の普通列車が発着し、かつてはクルンテープ駅（バンコク）から発着していましたが、バンコク都内の交通渋滞緩和のため、現在はトンブリー駅発着となっています。

タイは観光立国であり、多くの観光地がありますが、カーンチャナブリー駅が位置するナムトック線は、路線自体が観光の対象となっています。特に、映画「戦場にかける橋」で有名なクウェー川鉄橋や、アルヒル桟道橋、チョンカイの切り通しなどは、多くの観光客が訪れる人気スポットです。

歴史

カーンチャナブリー駅の歴史は、第二次世界大戦中に日本軍が建設した泰緬鉄道に深く関わっています。1942年6月に建設が開始され、1943年10月に全線が開通しました。戦後、タイ政府が連合国からこの鉄道を購入し、整備を行って再開しました。1949年6月24日にノーンプラードゥック分岐駅からカーンチャナブリー駅間が再開業し、当時は終着駅でしたが、約3年後の1952年4月1日にワンポー駅まで延伸され、途中駅となりました。その後、1958年7月1日にはワンポー駅からナムトック駅まで延伸されました。

駅構造

カーンチャナブリー駅は、単式ホームと島式ホームを組み合わせた2面2線の地上駅です。駅舎はホームに面しており、利用者がアクセスしやすい構造となっています。

駅周辺

駅周辺には、以下の観光スポットや施設があります。

クウェー川鉄橋：駅から約2kmの場所に位置し、歴史的な鉄橋を見ることができます。
退役した蒸気機関車：駅前には、1935年製のガーラット式蒸気機関車457号機が静態保存されています。また、サパーンクウェーヤーイ停車場近くには、旧C56形の蒸気機関車719号機と、1915年製の蒸気機関車804号機も展示されています。

これらの歴史的な鉄道施設は、カーンチャナブリー駅を訪れる観光客にとって見逃せないスポットとなっています。

参考文献

この駅に関する詳細は、以下の文献で詳しく解説されています。

高田隆雄　『タイ国の蒸気機関車』　（エリエイ出版部、1978年）
岡本和之　『タイ鉄道旅行』　（めこん、1993年）ISBN 4-8396-0080-5
杉本聖一　『魅惑のタイ鉄道』　（玉川新聞社、2000年）ISBN 4-924882-29-1
『世界の鉄道』（海外鉄道技術協力協会、2005年）ISBN 4-324-07626-X
柿崎一郎　『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』　（京都大学学術出版会、2010年）ISBN 978-4-87698-848-8
渡邉乙弘　『タイ国鉄4000キロの旅』　（文芸社、2013年）ISBN 978-4-286-13041-5

関連項目

タイの鉄道駅一覧
タイ国有鉄道南本線

カーンチャナブリー駅は、その歴史的背景と観光地としての魅力から、タイを訪れる旅行者にとって重要な目的地の一つとなっています。

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