ナンバーディスプレイ

ナンバー・ディスプレイとは

ナンバー・ディスプレイは、NTT東日本・西日本が提供する電話の付加サービスで、着信時に相手の電話番号を電話機に表示するものです。固定電話やISDN回線で利用でき、ISDN回線では「INSナンバー・ディスプレイ」という名称で提供されています。アナログ回線、ISDN、ひかり電話ともに有料オプションですが、70歳以上の契約者や同居者がいる場合は工事費と使用料が無償となる場合があります（2023年5月1日～2025年3月31日）。

サービス開始の経緯

1997年1月28日に横浜、名古屋、福岡の3地域で「発信電話番号表示サービス」として試験サービスが開始され、同年10月1日に「ナンバー・ディスプレイ」として本格サービスが開始されました。翌1998年2月1日には日本全国で利用可能となりました。

INSネットでは、デジタル携帯電話やPHSからの着信に対しては発信者番号表示が基本機能として無料で提供されています。INSナンバー・ディスプレイを契約することで、アナログ回線からの着信でも発信者番号が表示されるようになります。

同様のサービスは、携帯電話や一部のIP電話でも無料で行われています。ソフトバンクテレコムやKDDIも有料オプションとして番号表示サービスを提供しています。

概要

ナンバー・ディスプレイは、NTT東西が共有する登録商標です。電話に出る前に発信者が誰かを知ることができるため、迷惑電話への対策が可能になります。また、コールセンターでは顧客管理などの用途に利用されています（CTI機能）。

発信する際は、初期状態では相手に自分の電話番号が通知されますが、「184」を付加することで非通知設定にできます。逆に、通常非通知設定の場合でも「186」を付加すれば番号を通知できます（呼毎通知）。

オプションサービスとして、キャッチホンでかかってきた相手の番号を表示する「キャッチホン・ディスプレイ」や、番号非通知でかけてきた相手に番号通知を促す「ナンバー・リクエスト」などがあります。過去には、電話番号とともに名前を表示する「ネーム・ディスプレイ」もありましたが、個人情報保護法の関係でサービスを終了しました。

表示内容

表示内容は機種によって異なりますが、一般的な表示は以下の通りです。

加入電話・ISDN・携帯電話・PHS・通知対応IP電話からの発信: 電話番号（例：0311111111）
国際電話など海外からの発信: 「+」の後に国番号＋0を除いた市外局番＋電話番号（例：+82211111111）
公衆電話からの発信: 「公衆電話」「コウシュウデンワ」または「C」
非通知設定の発信: 「非通知」「ヒツウチ」または「P」
国際電話（一部）・インターネット電話・番号通知に非対応のIP電話など、発信電話番号を通知できない通話: 「表示圏外」「ヒョウジケンガイ」または「O」「S」

IP電話（050）では、発信者番号非通知の理由を区別できない場合がありましたが、近年では発信者番号通知に対応したものが現れています。また、ボイスワープなどの着信転送時も、転送先へ発信者の番号が表示されるようになっています。

発信電話番号非通知理由

NTTの仕様における発信電話番号非通知理由は以下の4種です。

P: 発信者が番号通知を拒否した場合（ユーザ拒否のため通知不可）
O: 発信元の網が番号通知に対応していない場合（サービス提供不可のため通知不可）
C: 公衆電話からの発信の場合（公衆電話発信のため通知不可）
S: サービス契約条件や網の動作条件により番号通知ができない場合（サービス競合のため通知不可）

利用方法

ナンバー・ディスプレイを利用するには、NTTへの申し込みと対応電話機が必要です。ISDN回線ではターミナルアダプタも対応している必要があります。サービス開始当初はアダプターも販売されていましたが、対応電話機の普及に伴い製造は終了しました。現在ではUSB接続対応のものも存在します。

ISDN回線では、ISDN相互間やデジタル携帯との通信では番号表示が標準装備です。アナログ回線で番号表示を利用するには「INSナンバー・ディスプレイ」の契約が必要です。

利用には工事費と毎月の使用料がかかりますが、特殊詐欺対策として、70歳以上の契約者や同居者がいる場合は工事費と使用料が無償化されています。

応用

着信前に発信者番号がわかるため、対応を事前に判断できます。また、対応電話機によっては、電話帳に登録された名前を表示したり、発信者ごとに着信音を変えたり、名前を読み上げる機能もあります。

着信拒否設定を回避する電話に対しては、着信拒否サービスや電話機の着信拒否機能で対策可能です。

非対応機使用時の注意

ナンバー・ディスプレイ契約回線に非対応の電話機を接続した場合、短い呼出音が数回鳴った後に通常の呼出音が鳴り始めます。通常の呼出音が鳴るまで待ってから受話器を上げる必要があります。

日本国外

英語版ではCaller IDとして知られています。

脚注

[脚注の具体的な内容（必要に応じて追加）]

関連項目

ワン切り
非通知
迷惑電話
共通線信号No.7
橋本和芙 - アメリカ特許取得者（1982年）

外部リンク

ナンバー・ディスプレイ - NTT東日本
INSナンバー・ディスプレイ - NTT東日本
* ナンバー・ディスプレイ/INSナンバー・ディスプレイ - NTT西日本

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