ニガキ科

ニガキ科（Simaroubaceae）は、双子葉植物に分類される科の一つです。クロンキスト体系などの従来の分類では、約20属150種がこの科に属していました。これらの植物はすべて木本であり、世界の熱帯や亜熱帯地域に広く分布しています。日本には、ニガキが自生しています。

ニガキ科の植物の葉は、多くの場合、羽状複葉という特徴的な形をしています。花は放射相称で、3〜5数性を示し、多くは心皮が離生していますが、花柱は合生しています。雌雄異花の小型の花を咲かせ、散房花序や総状花序といった形の花序を形成することが多いです。

ニガキ科の植物には、クワシノイドという変形テルペノイドが含まれています。この成分は薬効を持ち、健胃薬などの用途で利用されることがあります。ニガキやクワッシャなどがその例として挙げられます。

ニワウルシは、中国原産の植物で、かつては庭木や街路樹として栽培されていました。しかし、非常に生長が早く、現在では世界中で野生化していることが問題となっています。

近年では、植物の分類体系に大きな変化が起きており、APG植物分類体系という新しい分類方法が用いられるようになっています。この新しい体系では、ニガキ科の範囲も従来の分類とは異なっており、ピクラムニア科（南米に分布する約2属50種）などが別科として分類されています。一方で、旧レイトネリア科など、以前は別の科に分類されていた植物が、ニガキ科に含められるようになっています。

ニガキ科に属する植物は、その多様性から、分類の変更が行われることがあるため、注意が必要です。また、薬用成分を含む植物も存在するため、利用する際は専門家の意見を聞くことが重要です。

属

ニガキ科には、以下のような属が含まれています。

Ailanthus（ニワウルシ属）
Brucea
Castela
Eurycoma
Hannoa
Irma
Lauretia
Leitneria（旧レイトネリア科）
Neesia
Odyendyea
Perriera
Picrasma（ニガキ属）
Quassia
Samadera
Simaba
Soulamea

引用文献

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