ニュージャージー (戦艦)

ニュージャージー (USS New Jersey, BB-62)

ニュージャージー (USS New Jersey, BB-62) は、アメリカ海軍のアイオワ級戦艦の一艦で、戦艦としての重要な歴史を持つ艦船です。その艦名は、アメリカ合衆国の3番目の州であるニュージャージー州に由来しています。この艦はバージニア級戦艦のニュージャージー (USS New Jersey (BB-16)) に続いて、艦名を持つ二隻目の戦艦でもあります。

ニュージャージーの建造は、海軍拡張法（ヴィンソン案）に基づいて承認され、1940年9月16日にフィラデルフィア海軍造船所で起工されました。艦はその後、1942年12月7日にニュージャージー州知事の夫人によって進水し、1943年5月23日に正式に就役しました。この艦は「ビッグ J（Big J）」や「ブラックドラゴン（The Black Dragon）」といった愛称でも知られ、太平洋戦争での活躍が期待されました。

艦歴の概要

第二次世界大戦

ニュージャージーは第二次世界大戦中、カリブ海や西大西洋で調整訓練を行った後、1944年1月にパナマ運河を通過し、エリス諸島のフナフティ島へ向かいました。そこで第5艦隊に加わり、日本軍に対する攻撃部隊の護衛任務に就きました。特に、トラック島やマーシャル諸島への攻撃で果たした役割が注目されます。

その後、ニュージャージーはミッチャー提督の旗艦として、ミリ環礁やパラオを攻撃し、敵艦隊に対して艦砲射撃を実施しました。特に2月17日と18日には、敵艦艇を多数沈めており、ニュージャージーは攻撃の重要な一翼を担いました。日本軍の反撃もありましたが、ニュージャージーはその対空防御力を証明し、日本軍の空襲を成功裏に撃退しました。

6月19日にはマリアナ諸島の攻撃に参加し、以降も数多くの砲撃任務を遂行しました。ニュージャージーは日本軍の航空機に対しても数多くの撃墜を記録しており、その戦果は戦局に影響を与えました。8月9日に真珠湾に到着後、第3艦隊の旗艦として活躍しました。

戦後活動

戦後、ニュージャージーは1946年1月まで日本占領軍の旗艦を務めた後、1947年にニュージャージー州で就役4周年式を行いました。この時期には、北ヨーロッパ水域を巡回する艦隊の一員としても活動し、多くの海軍士官を育成しました。さらに、1950年に朝鮮戦争が勃発すると、ニュージャージーは再就役し、朝鮮半島近海での砲撃活動に従事しました。

朝鮮戦争中の任務では、海上移動砲台としての役割を果たし、国連軍の支援を行いながら敵の拠点を撃破しました。

ベトナム戦争の関与

1968年には再度就役し、近代化を経たニュージャージーはベトナム戦争にも参加しました。特に、北ベトナム軍拠点への艦砲射撃が評価され、約10,000発の砲弾を発射しました。日本海での緊張が高まると、ニュージャージーは急遽派遣され、さらにその後の任務においても重要な役割を果たしました。

レバノン内戦と退役

1982年、ニュージャージーはレバノン内戦においても再就役し、主砲からの艦砲射撃が行われましたが、1991年に予備役艦隊入りすることとなりました。その後、博物館艦として公開され、現在も多くの訪問者を迎えています。足掛け半世紀にわたって活躍したニュージャージーは、アメリカ海軍の歴史に深く刻まれた艦船であり続けています。

結論

ニュージャージーは数多くの戦闘に参加し、その名を刻んだ艦です。その艦歴はアメリカ海軍の栄光を物語るものであり、現在でも多くの人々にその名が語り継がれています。

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