ニューナンブM66短機関銃

ニューナンブM66短機関銃

ニューナンブM66短機関銃は、1960年代に新中央工業（現在のミネベアミツミ社大森製作所）によって試作された日本製のサブマシンガンです。この銃は、日本陸軍の造兵将校で企業家である南部麒次郎が設立した南部銃製造所を起源としているため、「ニューナンブ」という名前がついています。実際、本銃も他の製品同様にこの名称が与えられました。また、「短機関銃」という名称は、日本の警察予備隊によって作られたものです。

開発の背景

1960年代の自衛隊では、アメリカから供与された11.4mm短機関銃M1A1およびM3A1が主に使用されていましたが、これらは製造から20年以上が経過していました。そのため、これらの銃器を更新する必要がありました。当時、自衛隊は62式7.62mm機関銃と64式7.62mm小銃を制式化しており、旧軍での経験を有する新中央工業に新型短機関銃の試作が委託されました。

多くの国が主流に9mmパラベラム弾を使用する自動拳銃や短機関銃へとシフトしている中、新中央工業では、1957年から9mmパラベラム弾を使用する自動拳銃・ニューナンブM57Aの開発を始めており、これが自衛隊での採用テストへとつながりました。さらに、試作中の短機関銃もMP40やZ-45、カールグスタフm/45|カールグスタフm_45、S&W M76など、同様に9mmを使用する銃器を参考にしていました。

特徴

1965年に完成したニューナンブM65短機関銃は、.45ACP弾を使用する既存のM3A1と同様に、オープン・ボルト方式とシンプルブローバック方式を採用しました。また、セミオートおよびフルオートの切り替えが可能な設計です。試作仕様には多様なバリエーションがあり、MP40に似た折り畳みストックが備わっていました。さらに、弾倉挿入口にはグリップセーフティーが装備されており、発射するには両手でしっかりと持つ必要があります。

また、排莢口にはダストカバーも装備されており、ボルトの動作を制御する役割を果たしています。1965年9月には、富士学校と共同で様々な比較試験が行われ、M1A1やM3A1短機関銃、さらにはUZIとの性能比較も行われました。試験結果を基に、全長や銃身長がわずかに短縮されたM66型へと進化しました。

しかし、9mmパラベラム弾を使用する拳銃は1980年代まで自衛隊で採用されておらず、そのためニューナンブは採用には至りませんでした。自衛隊では、旧式のM3A1が引き続き使用されることになりました。

その後の動向

1965年には、アメリカ陸軍がM16自動小銃を正式に採用し、短機関銃市場も変化を迎えました。この流れの中で、日本を含む各国で短機関銃は次第に自動小銃へと統合されていきました。自衛隊においても、89式小学銃が短機関銃の役割を引き継ぐ形が進む一方で、1999年には新たに9mm機関けん銃が採用されましたが、その用途は当初の製品と異なります。

今日においても、都道府県警察や海上保安庁は輸入されたH&K MP5の導入を進めており、M3短機関銃は製造から60年以上経過した今でも自衛隊内で現役で使用されています。ニューナンブ短機関銃は開発されましたが、その後の時代背景の変化に伴い、実際には採用されることはありませんでした。

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