ネコ1世

ネコ1世：エジプト第26王朝の祖

ネコ1世（ネカウ1世とも、? - 紀元前664年）は、エジプト第26王朝（サイス朝）の創始者とされるサイスの王です。彼以前にもサイスには王がいたと考えられていますが、ネコ1世は、その存在が記録によって確認できる最初の人物です。

名前について

「ネコ」という名前は古代ギリシャ語によるもので、本来は「ネカウ」という発音に近いものでした。

生涯

ネコ1世は、元々アッシリアの文献においてその存在が知られていました。しかし、近年では彼の治世下のエジプトにおける記録も発見されています。紀元前670年頃、アッシリアの王アッシュールバニパルによってサイスの王に封じられたとされていますが、実際にはそれ以前からエジプトを支配していたと考えられています。マネトの記録によれば、ネコ1世の治世は8年間であったとされています。

治世2年目については、個人所有の石碑に記録が残っており、オリヴィエ・パデューによって内容が公開されています。その石碑には、古都セベニトス近郊のペルヘビト（現在のベフベイト・エル＝ハガーラ）にあったオシリス神殿に、「イシスの神官イウプトの息子アカノシュ」という人物が広大な土地を寄進したことが記されています。

歴史的な資料によると、ネコ1世はアッシリアと同盟を結んでいましたが、第25王朝最後のファラオ、タヌトアメンを支持するクシュの軍勢の侵攻を受け、殺害されました。ヌビアの軍勢はナイル・デルタ地帯に侵攻しましたが、アッシリアの反撃を受け、アッシリア軍は上エジプトへと進軍し、テーベを陥落させました。

ネコ1世の死後、彼の息子であるプサメティコス1世（プサムテク1世）がエジプトを再統一し、第26王朝を創始しました。また、プサメティコス1世の後を継いだネコ2世は、ネコ1世の孫にあたります。

家族構成

ネコ1世は、サイスの王であった可能性のあるネケプソス（ネカウバ）の兄弟であったと考えられています（確証はありません）。彼はイステマベトと結婚し、プサメティコス1世とその姉妹をもうけました。

ネコ1世は、エジプト第26王朝の礎を築いた重要な人物であり、アッシリアとの関係やクシュの侵攻といった激動の時代を生きた王でした。

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