ノルウェー海流

ノルウェー海流についての概要

ノルウェー海流（Norwegian Current）は、北大西洋海流の続流として、ノルウェー海を北上する海流です。この流れは、ノルウェーの北方で二つに分かれ、一方はスカンジナビア北岸に沿ってバレンツ海へ、もう一方はスピッツベルゲン島へ向かっています。

流速と流量

ノルウェー海流の流速は約0.5ノットと比較的遅く、流量は約300万トンとされています。これにより、この海流は他の大規模な海流と比べると規模は小さいですが、北極海の海流においては非常に重要な役割を果たしています。実際、この流量はベーリング海峡からの海水流入量のおよそ10倍に達すると言われています。

海流の特徴

ノルウェー海流の西側では、東グリーンランド海流との間にいくつかの渦流が形成されます。また、ノルウェーの東側沿岸部には、夏に高温、冬に低温となる低塩分のノルウェー沿岸流が存在し、ノルウェー海流本体との間には通常顕著な潮境が見られることが多いです。

水温と塩分

スコットランド沖においてノルウェー海流水は大部分が水温摂氏8度以上、塩分は35.25‰以上です。このため、北大西洋中央水の特性を保ちながら流れます。しかし、ノルウェー沖では大気との間に激しいエネルギー交流が生じるため、水温は急速に低下し、塩分も減少します。特にノルウェー沖の夏に水温が高くなると、それに続く北欧の冬や春でも気温が高い傾向が見られるのです。

環境への影響

最近の北極温暖化やタラ漁場の北限について、ノルウェー海流の強化が有力な要因として指摘されています。ノルウェー海流域では冬季の冷却により、表層水の密度が高まり、深層水に沈むことが可能となります。これは北極海の均質な深層水の源にもなりますが、北大西洋にはスコットランドとアイスランドを結ぶ海嶺によって妨げられており、深部水は溢流しません。

関連項目

ノルウェー海流は、メキシコ湾流や北大西洋海流、スピッツベルゲン海流、東グリーンランド海流、イルミンガー海流、カナリア海流などの他の主要な海流とも関連しています。これらの海流は、地球の気候バランスや生態系の維持において重要な役割を果たしており、ノルウェー海流もその一部として複雑な相互作用をしています。

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