ノヴォ・メスト

ノヴォ・メストは、スロベニア南東部に位置する都市であり、同名の基礎自治体の中心地です。歴史的にはドレンスカ地方の経済と文化の中心として重要な役割を果たしてきました。この地域は南東スロベニア地域に属し、自治体の面積は約298.5平方キロメートルに及びます。クルカ川が蛇行する場所に位置しており、その美しい景観が特徴的です。

歴史

ノヴォ・メストは「新しい町」を意味する名前を持ち、その歴史は先史時代にまで遡ります。この地で特に重要な考古学的発見は、ハルシュタット文化の遺物です。多数のシトゥラと呼ばれる容器が発掘されたことから、「シトゥラの町」とも呼ばれています。シトゥラはラテン語で籠や器を意味し、この地域における古代文化の繁栄を物語っています。

1170年には、クルカ川下流のグラーベン城が初めて記録に登場し、グラーベン・フォン・シュタイン家が代々この城を中心に勢力を維持しました。その後、1365年4月7日にハプスブルク家の大公ルドルフ4世がルドルフスヴェルトとしてこの町を建設しました。このルドルフ4世は市の紋章にも描かれています。

ハプスブルク家は1335年にカルニオラ辺境伯ルートヴィヒ4世からこの地を受け継ぎ、1364年にはルドルフ4世がカルニオラ公国の創設者として宣言しました。第一次世界大戦後、オーストリア＝ハンガリー帝国が解体されると、この地域はユーゴスラビア王国の一部となりました。ノヴォ・メストという名称は非公式ながらも古くから使われていましたが、ユーゴスラビア王国成立とともに公式名称となりました。

第二次世界大戦中は、ナチス・ドイツとイタリア王国の間で町の支配権が揺れ動きましたが、最終的にはドイツの占領下に置かれました。1958年には、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国によって兄弟愛と統一道路が建設され、スロベニアの首都リュブリャナとクロアチアのザグレブを結ぶ重要な交通路となり、ノヴォ・メストもこの道路網の一部となりました。その後、この道路は近代的な高速道路として整備され、現在のA2ハイウェイとなり、欧州自動車道路70号線の一部を構成しています。この幹線道路の整備により、ノヴォ・メストはユーゴスラビアやスロベニアの他の地域との結びつきを強め、地域の拠点として成長しました。

経済

近年、ノヴォ・メストを含むスロベニア全体で観光客が増加しています。クルカ川流域はワインの名産地として知られるようになり、多くのワイン愛好家がドレンスカ地方を訪れます。地元のワインであるシヴィチェクは、数種類のワインをブレンドして造られています。

交通

道路

A2: リュブリャナ-ノヴォ・メスト-(国境)-ザグレブを結ぶ高速道路。
国道105号: 地域を結ぶ主要な一般道。

鉄道

ノヴォ・メスト駅: リュブリャナとメトリカを結ぶ鉄道路線が利用可能です。

文化

2006年4月7日、ノヴォ・メストはリュブリャナ大司教管区の属司教区であるノヴォ・メスト教区となりました。中心となる教会は、聖ニコラオスに捧げられており、もともとゴシック様式だった建物は17世紀にバロック様式に改築されました。

姉妹都市

ノヴォ・メストは以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

トルン (ポーランド)
ランゲンハーゲン (ドイツ)
ヴィラフランカ＝デル・ペネデス (スペイン)
ビハチ (ボスニア・ヘルツェゴビナ)
ブレシア県 (イタリア)
レスコヴァツ (セルビア)
ヴルシャツ (セルビア)
ヘルツェグ・ノヴィ (モンテネグロ)

ゆかりの人物

バーバラ・イエリッチ: バレーボール選手。
ゴラズド・シュタンゲリ: 元自転車競技選手。
ヤネス・ブライコヴィッチ: 自転車競技選手。
ドメン・ノヴァーク: 自転車競技選手
メラニア・トランプ: モデル、ドナルド・トランプ第45代アメリカ合衆国大統領夫人。

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