ノーフォーク (嚮導駆逐艦)

USS Norfolk (DL-1)

概要

ノーフォーク（USS Norfolk, DL-1）は、アメリカ海軍が初めて建造した嚮導駆逐艦であり、その設計と運用において多くの革新をもたらしました。1948年度に建造が開始されたこの艦は、初めての対潜巡洋艦（CLK）としての地位を持っていましたが、建造中に艦種としての分類が変更され、最終的にはフリゲートという名前で改称されました。

艦の歴史

ノーフォークは、連合国軍が第二次世界大戦中に経験した大きな損失を受け、対潜能力の強化が急務であった時代に生まれました。大戦後も潜水艦は脅威であり続け、特にドイツ海軍のUボートXXI型がアメリカ海軍に接収されたことから、その技術の重要性を再認識させられました。

これに応じて、アメリカ海軍のOEG（運用評価グループ）は、ソナーを装備したピケット艦の必要性を提案しました。新たな対潜艦へのニーズが高まり、1947年2月には重構造艦が推奨され、その結果ノーフォークが1948年度に建造されることとなりました。

設計の特長

ノーフォークの設計は、アトランタ級軽巡洋艦の技術を基にしており、荒天でも高速を維持可能な構造となっています。重い荷をかけても安定性が求められるため、復原性の向上が図られ、耐爆性や放射性降下物の処理を考慮した設計が施されています。艦体は二重船殻（ダブルハル）構造が採用され、薄い外殻板には高張力鋼が使用されています。

機関と性能

ノーフォークには、4缶のバブコック・アンド・ウィルコックス式水管ボイラーが搭載され、高圧かつ高温の蒸気を生み出すことができます。大径・低回転のプロペラが採用されており、これにより水中放射雑音が抑えられています。旋回性能も考慮され、30ノットの速度での旋回半径は800ヤードに設定されています。

装備と武器

ノーフォークは対潜艦として設計され、多様なソナー技術と対潜兵器を備えていました。新型のスキャニングソナーや高周波の攻撃ソナーを搭載し、対潜ロケット砲や誘導魚雷も運用可能でした。対空兵器に関しては自衛用程度に留まり、高角砲として76mm連装速射砲を装備していました。また、近代化改修により対空レーダーやアスロック対潜ミサイルの搭載も計画されましたが、最終的には実現しませんでした。

艦歴

ノーフォークは1949年に起工し、1953年3月に就役しました。大西洋艦隊での任務を経て、サリヴァンズ（USS Sullivans, DD-537）とのパトロールや、国際的な演習にも参加し、対潜水艦戦能力を披露しました。また、1960年代には中東地域での任務や、南アメリカの海軍との共同訓練も行い、その重要な役割を果たしました。

ノーフォークは1970年に退役し、その後は予備艦隊として過ごすこととなりました。

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