ハクサンタイゲキ

ハクサンタイゲキ（白山大戟）

ハクサンタイゲキ（学名：Euphorbia togakusensis）は、トウダイグサ科トウダイグサ属に分類される多年草の一種です。名前の由来は、基準標本の生育地である戸隠山、または白山にちなんでいます。別名として、ミヤマノウルシ、オゼヌマタイゲキ、オゼタイゲキなどがあります。

特徴

ハクサンタイゲキは、高さ40cmから70cm程度に成長し、肥厚した地下茎を持ちます。葉は互生し、薄い質感の狭長楕円形で、長さ5cmから7cm、幅1cmから2cmほどです。葉の中央には白い筋が入ります。中心の主枝の先には数個の葉が輪生し、この葉はやや短く、幅が広くなっています。主枝の先は散状に6個の枝に分かれ、各枝の先に3個の苞葉が付き、さらに3個の小枝を出します。小枝の先には2個の小苞葉が付き、その間に杯状花序が見られます。杯状花序は4個の黄褐色の腎臓形の腺体から成り、1個の雌花を伸ばし、鈴のように垂れ下がります。腺体の縁は丸みを帯びているのが特徴です。類似するヒメナツトウダイと比較すると、ヒメナツトウダイの腺体の縁は角状になっています。花柱は3個で、それぞれが先端で2裂した柱頭を持ちます。花期は6月から7月にかけてで、果実にはいぼ状の突起と長くて白い毛が散在します。染色体数は2n=ca52です。

分布と生育環境

ハクサンタイゲキは日本の固有種であり、本州の東北地方、関東地方北部から中部地方にかけての日本海側に分布しています。基準標本は戸隠山で採取されたものです。山地から高山帯にかけての開けた草地に生育します。

種の保全状況評価

日本では、以下の都道府県でレッドリストの指定を受けています。

絶滅危惧II類 - 新潟県
準絶滅危惧 - 秋田県

参考文献

久保田修『高山の花―イラストでちがいがわかる名前がわかる』学習研究社、2007年6月。ISBN 978-4054029033。
清水建美、門田裕一、木原浩『高山に咲く花』（増補改訂新版）山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑8〉、2014年3月22日。ISBN 978-4635070300。
佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 編『日本の野生植物 草本II離弁花類』平凡社、1982年3月17日。ISBN 458253502X。
林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月。ISBN 9784635090421。

関連項目

「ハクサン」を冠する和名の植物の種

外部リンク

ハクサンタイゲキの標本（石川県白山市で2014年9月に採集） 島根大学生物資源学部デジタル標本館
* Euphorbia togakusensis Hayata （The Plant List）（英語）

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