ハサミ男

ハサミ男

『ハサミ男』は、殊能将之によるミステリー小説。著者のデビュー作であり、1999年に第13回メフィスト賞を受賞。「このミステリーがすごい!」でも高い評価を得ており、2005年には豊川悦司と麻生久美子の主演で映画化もされている。

あらすじ

物語は2003年の東京を舞台に展開する。女子高生が連続して殺害される事件が発生。いずれも被害者の喉にはハサミが深く突き刺さっており、犯人は「ハサミ男」と呼ばれるようになる。世間が騒然とする中、ハサミ男は新たな жертва を選定し、周到な下調べを行っていた。しかし、調査を進めるうちに、何者かが自分の手口を模倣して жертва を殺害しているのを発見する。自身のアイデンティティを脅かされたハサミ男は、模倣犯の正体とその動機を探るべく、独自の調査を開始する。

登場人物

ハサミ男
主人公。26歳。警察庁の記録では「広域連続殺人犯エ十二号」と呼ばれる。ハサミを凶器に用いることから、マスコミによって「ハサミ男」と命名された。自殺願望があり、常日頃から自殺方法を試しているが、失敗続き。肥満体型を気にしているものの、ダイエットをする気はない。美味しいものに目がない。氷室川出版でアルバイトとして働きながら、次の жертва を探している。
医師
ハサミ男が自殺未遂をするたびにカウンセリングを行う精神科医。60歳ほど。白い短髪で、痩せており、丸い黒縁眼鏡をかけている。博識で皮肉屋。詭弁を弄する。ハサミ男に模倣犯の調査を促す。
樽宮 由紀子（たるみや ゆきこ）
私立葉桜学園高等学校に通う高校2年生。才色兼備。ハサミ男の3番目の жертва 候補だったが、別の人物によって殺害される。
小西 美菜（こにし みな）
ハサミ男の最初の жертва である高校1年生。
松原 雅世（まつばら まさよ）
ハサミ男の2番目の жертва である高校2年生。
椿田 亜矢子（つばきだ あやこ）
樽宮由紀子の親友。
岩佐 邦馬（いわさ くにま）
葉桜学園高等学校の体育教師。樽宮由紀子と関係を持っていた。
岡島（おかじま）
氷室川出版の部長。頭の切れる女性。
佐々塚（ささづか）
氷室川出版の社員。小柄な男。
山岸（やまぎし）
氷室川出版のアルバイト。
樽宮 一弘（たるみや かずひろ）
樽宮由紀子の継父。とし恵と再婚。
樽宮 とし恵（たるみや としえ）
樽宮由紀子の母。前夫と離婚後、一弘と再婚。
樽宮 健三郎（たるみや けんざぶろう）
樽宮由紀子の義弟。一弘の連れ子。
黒梅 夏絵（くろうめ なつえ）
フリーライター。ピンクハウスを愛好。

警察関係者

磯部 龍彦（いそべ たつひこ）
目黒西署刑事課の刑事。童顔。
下川 宗夫（しもかわ むねお）
目黒西署刑事課の刑事。万年巡査部長。
松元 順三郎（まつもと じゅんざぶろう）
目黒西署刑事課の刑事。尋問の達人。
進藤 誠斗（しんどう まこと）
目黒西署刑事課の刑事。磯部の後輩。
村木 晴彦（むらき はるひこ）
目黒西署刑事課の刑事。クラシック音楽好き。
上井田 嘉暁（うえいだ よしあき）
目黒西署の刑事課長。
堀之内 靖治（ほりのうち やすはる）
警視庁科学捜査研究所の犯罪心理分析官。キャリア。

書籍情報

講談社ノベルス（1999年）ISBN 4-06-182088-5
講談社文庫 （2002年）ISBN 4-06-273522-9
解説：小谷真理

映画

主なスタッフ

製作総指揮 - 斎春雄、渡辺英一
製作 - 釜秀樹、林哲次、渡辺敦
監督 - 池田敏春
脚本 - 池田敏春、香川まさひと
音楽 - 本多俊之
原作 - 殊能将之
撮影 - 田口晴久
美術 - 西村徹

主なキャスト

安永 - 豊川悦司
知夏 - 麻生久美子
堀之内 - 阿部寛
磯部 - 樋口浩二
日高 – 斎藤歩
樽宮由紀子 - 阪田瑞穂
石丸謙二郎
小野みゆき
二木てるみ
寺田農
目黒真希

映画あらすじ

女子高生が同様の手口で殺害される事件が続発。被害者の喉にはハサミが突き刺さっており、犯人は「ハサミ男」と呼ばれる。安永と知夏は、ハサミ男を追う立場となる。一方、目黒西署はハサミ男事件の捜査に奔走。警視庁科捜研から堀之内が派遣され、刑事の磯部と共に捜査を進める。

外部リンク

ハサミ男 - allcinema
ハサミ男 - KINENOTE
Hasami Otoko - IMDb（英語）

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