ハシシ

ハシシ(Hashish)とは

ハシシは、[大麻]]草に含まれる樹脂腺、トリコームを圧搾または精製して作られる大麻製品の一種です。無選別のつぼみや葉と比較して、テトラヒドロカンナビノール]などの[[カンナビノイドをより高濃度に含んでいる点が特徴です。ハシッシュ、ハシシュ、ハッシッシとも呼ばれます。

外見は製法によって異なり、固体または樹脂状です。プレスされたものは通常固体で、水で精製されたものは「bubble melt」ハシシと呼ばれ、ペースト状で硬さや柔軟性に幅があります。色は茶色が一般的ですが、透明、黄色、黒色、赤色など多様で、これは製法や不純物の量に左右されます。

歴史

「ハシシ」という名前は、アラビア語で「草」を意味する「ハシーシュ(حشيش, ḥashīsh)」に由来します。

国際貿易用のハシシ大量生産は、1960年代に大麻草が容易に入手できるモロッコで始まったと考えられています。それ以前は、モロッコではレバノン産のハシシがわずかに見られる程度でした。しかし、大麻の栽培自体は1万年も前から台湾で行われており、人類による最初の大麻利用は中央アジアか中国のステップ地域で起こったと考えられています。北インドでは、チャラスと呼ばれるハシシの製造が古くから行われており、古代ペルシアの儀式で燃やされた植物樹脂と同じものだと考えられています。インド亜大陸には大麻が自生しており、特に西ベンガル州、ラージャスターン州、ヒマラヤ地域では、ガンジャやハシシ製造のために特定の株が栽培されてきました。

1596年、オランダのヤン・ホイヘン・ヴァン・リンスホーテンは、東方への旅の記録の中で、インドで飲まれている大麻入り飲料バングについて記述しました。彼はエジプトのハシシにも触れ、「バングはトルコやエジプトで用いられているものと似ており、3種類が存在し、それぞれ名前も異なる。エジプトのものは「アシス」(ハシシのアラビア語)と呼ばれ、麻の葉と水からペースト状に作られる。人々はクルミ大のものを5つほど食し、これは安価であるため一般の人々に消費され、その効果は麻によるものである。」と記しています。

また、ハシシという言葉は、暗殺者を意味する「アサシン」の語源になったという説もあります。

利用方法

ハシシは、パイプ、水ギセル、気化器、熱したナイフなどで加熱して吸引したり、ジョイントで吸ったり、大麻のつぼみやタバコと混ぜて紙巻きたばこにしたり、食材と一緒に調理して摂取することができます。

製造方法

ハシシは、カンナビノイドが豊富に含まれるトリコームと、麻の花や葉の断片から作られます。成熟した雌株の花が最もトリコームが多く、トリコームが多い特定の株が栽培されています。トリコームは、花粉と間違われることもありますが、様々な方法で植物から分離されます。

機械分離法

機械分離法では、篩などの物理的な力を用いて植物からトリコームを取り除きます。得られた粉末はキーフと呼ばれ、熱で圧縮されてブロック状になります。純粋なキーフは柔らかく、粘着性があります。純粋なTHCであればほぼ透明で、人が接触すると融け始めます。氷水を用いた分離法も機械分離法の一種です。最終生成物の透明度によって品質が判断されます。

化学分離法

化学分離法では、エタノール、ブタン、ヘキサンなどの溶媒を用いて、親油性の樹脂を溶解させます。植物の残りの部分は溶液から濾過され、溶液を蒸発させて残った樹脂はハッシュオイルやハニーオイルと呼ばれます。ハッシュオイルにはまだ蝋や精油が残っているため、減圧蒸留でさらに精製し、「レッドオイル」が得られます。ただし、このオイルはトリコームが破壊されているため、厳密にはハシシとは異なります。

品質

ハシシには、偶然または意図的に小さな葉の断片などが混入することがあります。ハシシのTHC含有量は0%から65%程度、ハッシュオイルのTHC含有量は30%から90%程度です。

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