ハバロフスク橋

ハバロフスク橋について

ハバロフスク橋（はばろふすくきょう）は、ロシア極東のハバロフスク地方に位置し、重要な交通路となっているアムール川に架かる鉄道道路併用橋です。1998年に完成して以来、アムール川鉄橋、アムール鉄橋、またはアムール大橋とも称されています。これにより、地域の交通インフラは大きく改善され、鉄道と自動車が一つの橋で共存する形が実現しました。

歴史的背景

ハバロフスク橋の起源は1916年に遡ります。この年、ラヴル・プロスクリャコフの設計によって、アムール川に最初の鉄橋が建設されました。この橋は、シベリア鉄道の全線開通に寄与し、清国の東清鉄道を通じての暫定的な輸送手段から脱却する契機となりました。最初の橋は単線でしたが、全長は2.5kmを超え、歴史的にはロシア帝国とソヴィエト連邦を通じて最も長い鉄橋でありました。

1941年には、スターリンの指示により全長7kmのハバロフスク・アムール川底トンネルが掘削され、これによって橋の区間は複線化されました。このトンネルの建設には、グラグ（強制収用所）の囚人が多く動員され、厳重な秘密の下に進められました。

新たな橋の建設

1998年6月、初代橋の隣に新しいハバロフスク橋が完成しました。この新しい橋は全長2598mであり、26の橋脚を支えに持つトラス構造を採用しています。二層式のデザインにより、下層には鉄道が、上層には2車線の自動車道路が配置され、シベリア横断道路の一部を形成しています。鉄道の運行は98年6月に開始され、当初は単線運行だったため、ウラジオストク方面への列車は新橋を使用し、モスクワ方面の列車は川底トンネルを経由する形となっていました。その後、2009年には複線運行が開始され、より多くの列車が通行可能となりました。

道路部分に関しては、1999年から使用が始まりました。旧橋に関しては、橋脚が残されているものの、橋桁は解体されています。解体された橋桁の一部は、近隣のアムール川鉄橋歴史博物館に保存されており、かつては秘密とされていた川底トンネルの設計図や貴重な資料が展示されています。

まとめ

ハバロフスク橋は、地域の歴史と交通の要所としての重要性を持つ橋です。この橋を通じて、シベリアの広大な地域がつながり、発展が進められてきたことは間違いありません。歴史的な背景を持つこの橋は、今後も地域の発展に寄与し続けることでしょう。

もう一度検索