ブリティッシュ・ブルドッグス

ザ・ブリティッシュ・ブルドッグス：伝説のタッグチーム

ザ・ブリティッシュ・ブルドッグスは、プロレス界において一時代を築いたタッグチームです。ダイナマイト・キッドとデイビーボーイ・スミスという、イギリス出身の二人のスターレスラーによって結成されました。彼らは、その卓越した運動能力とアグレッシブなファイトスタイルで、世界中のプロレスファンを魅了しました。

歴史

結成と初期

1980年代前半、二人はカナダ・カルガリーのスタンピード・レスリングを主戦場としていました。ダイナマイト・キッドは、新日本プロレスのジュニアヘビー級戦線で藤波辰巳や初代タイガーマスクと激闘を繰り広げ、日本でもスターとしての地位を確立していました。デイビーボーイ・スミスも1983年11月より新日本マットに参戦し、ジュニアヘビー級では突出したパワーファイターとして人気を博しました。

全日本プロレス時代

1984年11月、二人は全日本プロレスへ揃って電撃移籍し、本格的にタッグチームを結成しました。世界最強タッグ決定リーグ戦に出場し、スタン・ハンセン&ブルーザー・ブロディのようなヘビー級のレスラーが主体の全日本マットでも、スピーディーなコンビネーションで観客を沸かせました。肉体的にもビルドアップし、両者ともヘビー級に転向。カルガリー出身のカナディアン・ルイス（ベン・バサラブ）を加えたトリオでも活動しました。

WWFでの成功

1985年、二人はスタンピード・レスリングを買収したWWF（現WWE）と契約し、ブリティッシュ・ブルドッグスとして売り出されます。雌ブルドッグのマティルダをマスコット犬として帯同し、キャプテン・ルー・アルバーノをマネージャーに迎え、ベビーフェイスのタッグチームとしてWWFの全米サーキットに参加。ビッグ・ジョン・スタッド&キングコング・バンディ、アイアン・シーク&ニコライ・ボルコフ、ザ・ファンクス、ザ・ムーンドッグスなど、様々なチームと対戦し、好勝負を展開しました。特に、カルガリー時代からの盟友であるハート・ファウンデーション（ブレット・ハート&ジム・ナイドハート）とは、最大のライバルとして激しい抗争を繰り広げました。

1986年4月7日のレッスルマニア2では、オジー・オズボーンをセコンドに迎え、ドリーム・チーム（グレッグ・バレンタイン&ブルータス・ビーフケーキ）を破り、WWF世界タッグ王座を獲得。翌1987年1月26日にハート・ファウンデーションに敗れるまで、長期に渡って王座を保持しました。

その後も、ドン・ムラコ&カウボーイ・ボブ・オートン、デモリッション、ブレイン・バスターズらと激闘を展開。ファビュラス・ルージョー・ブラザーズとは、リング内外で激しい抗争を繰り広げました。

WWF離脱後

アメリカマットで大きな実績を築いた後、1988年末にWWFを離脱。スタンピード・レスリングや全日本プロレスに復帰し、スタンピード・レスリングではインターナショナル・タッグ王座を獲得しました。1989年には、全日本プロレスの世界最強タッグ決定リーグ戦にも出場しましたが、1990年にチームを解散。デイビーボーイ・スミスはシングルプレイヤーとなり、WWFでは「ブリティッシュ・ブルドッグ」のリングネームを使用しました。

ニュー・ブリティッシュ・ブルドッグス

ダイナマイト・キッドは、デイビーボーイ・スミスとのチーム解消後、ジョニー・スミスをパートナーに新たなブリティッシュ・ブルドッグスを結成しました。このチームは、オリジナルとの混同を避けるため、日本ではニュー・ブリティッシュ・ブルドッグスと呼ばれました。北米では、WWFに「ブリティッシュ・ブルドッグス」の名称が商標登録されていたため、ブリティッシュ・ブルーザーズと呼ばれていました。

この新コンビは、1991年4月6日に小橋健太&ジョニー・エースを破り、アジアタッグ王座を獲得しましたが、キッドが同年末に現役引退を表明したために解散。1993年にキッドが現役復帰した際、一時的にジョニー・スミスとのタッグを復活させましたが、再び来日が途絶えるようになり、チームは継続しませんでした。

獲得タイトル

ブリティッシュ・ブルドッグス (オリジナル)

ワールド・レスリング・フェデレーション
WWF世界タッグ王座：1回
スタンピード・レスリング
インターナショナル・タッグ王座：2回

ニュー・ブリティッシュ・ブルドッグス

全日本プロレス
アジアタッグ王座：1回

ザ・ブリティッシュ・ブルドッグスは、プロレス史にその名を刻む、不朽のタッグチームです。彼らの試合は、今もなお多くのファンを魅了し続けています。

もう一度検索