スタンピード・レスリング

スタンピード・レスリング：北米プロレス史に輝く一団体の軌跡

スタンピード・レスリングは、カナダのアルバータ州カルガリーを拠点として、20世紀後半のプロレス界に大きな足跡を残した団体です。創始者スチュ・ハートのもと、数々の名勝負やスター選手を輩出し、北米のみならず、日本を含む世界のプロレス界に影響を与えました。

設立と隆盛

1951年、スチュ・ハートがクロンダイク・レスリングを設立したのが始まりです。翌年、スタンピード・レスリングと改称し、カルガリーを本拠地として活動を開始しました。1970年代から1980年代にかけては、日本の国際プロレス、新日本プロレス、全日本女子プロレスと業務提携を結び、多くの若手選手が海外修行の場としてスタンピードに遠征しました。

NWAからの離脱とAWAとの連携

1982年までNWAに加盟していましたが、当時の会長ジム・クロケット・ジュニアとの関係が悪化し、NWAを脱退。その後、AWAと業務提携を結び、同じくAWAと提携していたCWAとも連携を深めました。

WWFへの買収と再興、そして活動停止

1984年8月、WWF（現WWE）に買収されますが、1985年10月にはスチュの次男であるブルース・ハートが買い戻し、独立を維持しました。しかし、1989年12月に活動を停止します。1999年4月、ブルースとスチュの八男ロス・ハートが団体を再興しますが、2007年にビル・ベルに売却され、2008年4月に再び活動を停止しました。

2011年には、スチュの長男スミス・ハートがスタンピードを名乗る興行をオンタリオ州で開催。一方、ブルースもオリジナル・スタンピード・レスリングを旗揚げするなど、スタンピードの名は様々な形で受け継がれています。

スタンピードを彩ったタイトル

北米ヘビー級王座（カルガリー版）
英連邦ミッドヘビー級王座（カルガリー版）
* インターナショナル・タッグ王座

過去には、大英帝国ヘビー級王座（カナダ版）、世界ミッドヘビー級王座（カルガリー版）、カナディアン・ヘビー級王座（カルガリー版）、カナディアン・タッグ王座（カルガリー版）、アルバータ・タッグ王座、IWA世界ヘビー級王座（カルガリー版）、IWA世界女子王座など、数々のタイトルが設立されました。

スタンピードに参戦した主な選手

スタンピード・レスリングには、数多くの名レスラーたちが参戦しました。

男子選手

アーチー・ゴルディー、アファ・アノアイ、アブドーラ・ザ・ブッチャー、アンドレ・ザ・ジャイアント、ダイナマイト・キッド、デイビーボーイ・スミス、ブレット・ハート、オーエン・ハートなど、錚々たるメンバーが名を連ねています。

女子選手

ウェンディ・リヒター、ルナ・バションなど、女子プロレスラーも参戦し、華を添えました。

日本人選手

キラー・カーン、ザ・コブラ、ヒロ斎藤など、多くの日本人選手もスタンピードのリングで活躍しました。


スタンピード・レスリングは、その歴史の中で多くの困難を乗り越えながら、プロレス界に多大な貢献を果たしました。その功績は、今もなお多くのプロレスファンに語り継がれています。


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