バイエルンの君主一覧

本稿では、歴史的地域としてのバイエルンを統治してきた君主たちを概観します。バイエルンは古来より、様々な家系にルーツを持つ公や王によって統治されてきました。1949年以降は、ドイツ連邦共和国の一州であるバイエルン州となっています。

諸王朝

バイエルンを統治した主な王朝は以下の通りです。

アギロルフィング朝: 548年 – 788年
カロリング朝: 788年 – 911年
ルイトポルト朝: 911年 – 947年
オットー朝
ザーリアー朝: 947年 – 1070年
ヴェルフ家とバーベンベルク家: 1070年 – 1180年
ヴィッテルスバッハ家: 1180年 – 1918年

アギロルフィング朝 (548年 – 788年)

548年頃、バイエルン一帯はフランク族の王の宗主権下にある公の支配下に置かれました。公には、フランク族または現地の有力な一族から選ばれた人物が任命され、フランク王国のために統治を担いました。記録に残る最初の公は、アギロルフィング家のガリヴァルド1世です。これ以降、788年までアギロルフィング朝による公国統治が続きました。

カロリング朝 (788年 – 911年)

フランク国王（後の皇帝）は、世襲ではない統治者や文官を用いてバイエルンを直接統制しました。ルートヴィヒ1世は帝国を息子たちに分割し、その状態は840年に彼が亡くなるまで続きました。フランク族の支配者たちは、バイエルンを自らの所有地として統治しました。

ルイトポルト朝 (911年 – 947年)

ルイトポルト朝の創始者であるルイトポルトは、バイエルン公ではありませんでしたが、ルートヴィヒ1世の息子たちの下でケルンテン辺境伯となりました。フランク族の力がマジャール人の攻撃によって弱まると、現地の統治者たちは独立性を強めていきました。ルイトポルトの息子のアルヌルフは911年にバイエルン公の称号を主張し、920年に東フランク王ハインリヒ1世（捕鳥王）によってその地位を認められました。

ローマ王 (947年 – 1070年)

947年から11世紀にかけて、ローマ王はバイエルンの統治者を頻繁に交代させ、特定の家系による世襲を認めませんでした。そのため、バイエルンは短期間に複数の王朝の下で統治されることとなりました。

ヴェルフ家とバーベンベルク家 (1070年 – 1180年)

1070年、ローマ皇帝ハインリヒ4世はオットー2世を廃位し、イタリアのロンバルディア貴族エステ家出身のヴェルフ1世を公に任命しました。しかし、ヴェルフ1世は後にハインリヒ4世と対立し、19年間も公位を剥奪され、その間はローマ王による直接支配が続きました。1096年にヴェルフ1世は公位に復帰し、その後は息子のヴェルフ2世とハインリヒ9世がその地位を継承しました。ハインリヒ9世の後を継いだハインリヒ10世は、ザクセン公も兼任しました。

ヴィッテルスバッハ家 (1180年 – 1918年)

1180年、ハインリヒ12世（獅子公）とローマ皇帝フリードリヒ1世（赤髭王）が対立し、フリードリヒ1世はハインリヒ12世からバイエルンを没収し、ヴィッテルスバッハ家のオットー1世に与えました。以後、バイエルンは第一次世界大戦終結まで、ヴィッテルスバッハ家が統治することとなりました。

第1次分割 (1253年 – 1340年)

1253年にオットー2世が亡くなると、バイエルンは息子たちの間で分割されました。長男のルートヴィヒ2世が上バイエルンを、次男のハインリヒ13世が下バイエルンをそれぞれ統治しました。この状態は16世紀まで続き、領地は兄弟間で頻繁に分割されたため、公の一覧を示すのは困難です。

第2次分割 (1349年 – 1503年)

1349年から1503年にかけて、バイエルンは2回目の分割を経験しました。1347年にルートヴィヒ4世が亡くなると、2年後に6人の息子の間で上下バイエルンが再び分割されました。1353年には下バイエルンがバイエルン＝ランツフートとバイエルン＝シュトラウビングに分割され、上バイエルンも1363年にバイエルン＝シュトラウビングとバイエルン＝ランツフートに分割されました。

ランツフート継承戦争（1503年 - 1505年）の結果、バイエルン＝ミュンヘン公アルブレヒト4世がバイエルンの支配者となりました。1506年、アルブレヒト4世は公国の分裂を防ぐため、長子相続制を制定しました。

1623年、マクシミリアン1世は選帝侯の地位を獲得し、以後のバイエルン公はバイエルン選帝侯と呼ばれるようになりました。

バイエルン国王 (1806年 – 1918年)

1805年にフランス皇帝ナポレオン1世とオーストリア皇帝フランツ1世の間で結ばれたプレスブルク条約により、いくつかの公国が王国への昇格を認められました。バイエルンもその一つで、バイエルン選帝侯マクシミリアン4世ヨーゼフは1806年 1月1日にバイエルン国王マクシミリアン1世となりました。以後、ヴィッテルスバッハ家の君主は「バイエルン国王」の称号を1918年まで用いました。

「狂王」として知られるルートヴィヒ2世は、1864年から1886年までの在位中にノイシュヴァンシュタイン城、ヘレンキームゼー城、リンダーホーフ城を築きました。1918年、ルートヴィヒ3世はドイツ革命により王位を失いました。

王制崩壊後

王制崩壊後のバイエルンは、ヴァイマル共和政下で州首相が統治する民主的なバイエルン自由国（バイエルン州）となりました（1919年 - 1933年）。

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