バイエルン福音ルター派教会

バイエルン福音ルター派教会（ELKB）

バイエルン福音ルター派教会（ドイツ語: Evangelisch-Lutherische Kirche in Bayern, ELKB）は、ドイツ福音主義教会（EKD）に加盟する、バイエルン州を管轄区域とするルター派の州教会です。ミュンヘンに本部を置き、公法上の社団として活動しています。2022年12月31日現在、1,530の教会共同体を擁し、214万人以上の教会員を抱える、ドイツで3番目に大きな州教会です。

概要

ELKBは、ドイツ合同福音ルター派教会（VELKD）の加盟教会でもあり、ルター派世界連盟や世界教会協議会（WCC）にも参加しています。州教会の首座教会はニュルンベルクの聖ローレンツ教会ですが、州教会監督が説教を行うのは、事実上の首座教会であるミュンヘンの聖マティウス教会です。また、トゥッツィングには福音主義アカデミーを置いています。

歴史

バイエルン州の中心地域は、宗教改革後もカトリックが主流でしたが、19世紀初頭にバイエルン王国が現在の州域まで拡大する過程で、フランケン地方などの福音主義地域が編入されました。1806年には、王国内のプロテスタントが合同教会に統合されましたが、各教会共同体は従来の信仰を維持しました。1853年には改革派教会が独立し、1919年以降、バイエルン領邦教会はルター派教会共同体のみとなりました。1921年にはコーブルク福音領邦教会が統合され、第二次大戦後、ライン川左岸地域が分離、1948年に現在の名称となりました。

バイエルン王国時代、教会の首長はカトリックの国王でしたが、第一次大戦後に教会統治は終焉を迎え、教会規則が制定され、教会議長が首長となりました。1933年以降は州教会監督が首長となり、教会担当部局は州教会事務局と改称されました。ニュルンベルク市にある州教会資料館には、詳細な歴史資料が公開されています。

信仰告白

ELKBは、1999年に教憲を改定し、アウクスブルク信仰告白、マルティン・ルターの小教理問答、バルメン宣言を信仰告白としています。

指導部

州教会指導部は、州教会総会、州教会総会常任委員会、州教会評議会、州教会監督で構成されています。

州教会総会と州教会常任委員会

州教会総会は教会の議会であり、個々の教会共同体の役員によって選ばれた議員で構成されます。総会は、年に2回開催され、閉会中は州教会総会常任委員会がその職責を担います。常任委員会は、総会で選出された議長と12人の議員で構成され、議長が委員会を主宰します。

州教会評議会と州教会監督

州教会評議会は、州教会監督をトップとし、高等教会評議員で構成されます。監督は州教会総会で12年間の任期で選出され、65歳で定年となります。評議会は、教会事務局において定期的に会合を開催します。

州教会運営

州教会事務局と州教会行政構造は、教会共同体、地区、教会管区、州教会の順に構成されています。教会共同体は公法上の社団として存立し、選出された教会役員を有します。複数の教会共同体が地区を形成し、地区長が責任者を務めます。複数の地区が教会管区を構成し、高等教会評議員が責任者を務めます。6つの教区が合わさって州教会を形成しています。

教会管区

1921年、バイエルン領邦教会に教会管区が設けられました。当初は3つでしたが、教会政治的考慮から1935年にニュルンベルク周辺が独立、第二次世界大戦後には難民の流入により新たな教区が創設され、現在は6つの教区があります。

アンスバッハ＝ヴュルツブルク教会管区
アウクスブルク教会管区
バイロイト教会管区
ミュンヘン教会管区
ニュルンベルク教会管区
レーゲンスブルク教会管区

地区と教会共同体

63の地区が1530の教会共同体に分けられます。第二次世界大戦後、難民の流入により教会共同体数が増加し、地区が分割され、新たな教会共同体が形成されました。

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