バイロン・ブラック

バイロン・ハミシュ・ブラックは、1969年10月6日、ジンバブエのハラレで生まれました。彼はプロテニス選手として、シングルスとダブルスの両方で活躍しましたが、特にダブルスでの功績が顕著です。弟のウェイン・ブラック、妹のカーラ・ブラックもプロテニス選手であり、テニス一家として知られています。

バイロンは、フォアハンドとバックハンドの両方を両手で打つプレースタイルで、自己最高ランキングはシングルスで22位、ダブルスで1位を記録しました。ATPツアーでは、シングルスで2勝、ダブルスで22勝を挙げています。

ブラック家のテニスとの関わりは深く、父親のドン・ブラックは、1953年と1956年のウィンブルドン選手権男子シングルスで3回戦に進出しています。自宅のアボカド農園の裏庭には4面の芝生コートが作られ、バイロンを含む3兄弟は、そこでテニスを学びました。バイロンは父親から直接指導を受け、その才能を開花させていきました。

1987年からデビスカップジンバブエ代表に選出されましたが、南カリフォルニア大学で学生テニス選手として活動した後、1991年にプロに転向しました。その年、彼はATPの年間最優秀新人賞を受賞しています。

1993年には、ダブルスで年間6勝を挙げ、1994年には10回の決勝に進出しました。ジョナサン・スタークとのペアで、1994年の全豪オープンと全仏オープンでグランドスラムの男子ダブルス決勝に進出。全豪オープンでは準優勝に終わりましたが、全仏オープンではヨナス・ビョルクマン/ヤン・アペル組を破り、見事優勝。ジンバブエ人として初のグランドスラムタイトルを獲得しました。

1996年からは、グラント・コネルとペアを組むことが多くなり、同年のウィンブルドン選手権男子ダブルスで決勝に進出しましたが、ウッディーズに敗れて準優勝となりました。ウィンブルドン後には、弟のウェインと共にアトランタオリンピックに出場しましたが、シングルス、ダブルス共に2回戦で敗退しています。

グランドスラムシングルスでは、1995年の全米オープンと2000年のウィンブルドン選手権でベスト8に進出しています。1995年全米オープンでは、4回戦でミヒャエル・シュティヒをフルセットで破りましたが、準々決勝でピート・サンプラスにストレートで敗れました。2000年ウィンブルドン選手権の準々決勝では、ウラジミール・ボルチコフに敗れています。

シングルスでは、1996年のソウル・オープンで初優勝、1999年のチェンナイ・オープンで2勝目を挙げましたが、準優勝も8回経験しています。1998年のジャパン・オープン・テニス選手権決勝では、アンドレイ・パベルに敗れています。

2000年ウィンブルドン選手権でベスト8に進出した後、3兄弟にテニスを教えた父ドンが亡くなりました。父の死後、バイロンは2001年全豪オープン男子ダブルスで7年ぶり2度目の決勝に進出。ダーヴィト・プリノジルとのペアで、決勝戦で敗れ準優勝に終わりました。2001年には、チェンナイ・オープンとキングフィッシャー航空テニス・オープンでダブルス年間2勝を挙げましたが、後者が最後の優勝となりました。

デビスカップ2002ワールドグループ・プレーオフ対ベルギー戦のシングルスを最後に、33歳で現役を引退しました。

引退後も、バイロン・ブラックはテニス界に貢献しており、その功績は高く評価されています。

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