ウェイン・ブラック

ウェイン・ハミルトン・ブラックは、1973年11月14日ジンバブエのハラレで生まれたプロテニス選手です。彼の家族はテニス一家であり、兄のバイロン・ブラック、妹のカーラ・ブラックもプロテニス選手として活躍しました。ウェインは3兄弟の真ん中として育ちました。

ウェインはATPツアーではシングルスの優勝こそありませんが、ダブルスでは18勝を挙げています。また、グランドスラム（4大大会）では男子ダブルスで2勝、混合ダブルスで2勝を記録しています。彼の自己最高ランキングはシングルスで69位、ダブルスで4位です。身長は170cm、体重は70kg、右利きでプレーします。

ブラック家の父親であるドン・ブラックは、1953年と1956年のウィンブルドン選手権男子シングルスで3回戦に進出した経歴を持ちます。自宅のアボカド農園の裏庭には4面の芝生コートが建設され、3兄弟はそこでテニスを学びました。ウェインも父親から直接指導を受けています。1991年にはアメリカ合衆国テキサス州にある「ニューカム・テニスアカデミー」に入学を認められ、1992年からは男子テニス国別対抗戦デビスカップのジンバブエ代表選手として活躍しました。ウェインは兄のバイロンと同じ南カリフォルニア大学で学び、学生テニス選手として3年間プレーしました。1994年にプロ入り。

1996年アトランタオリンピックで、ウェインは兄のバイロンと共にオリンピックに初出場し、シングルス・ダブルスともに2回戦に進出しました。1999年2月のドバイ・テニス選手権でATPツアーダブルス初優勝を果たし、3月のインディアンウェルズ・マスターズとリプトン国際選手権ではサンドン・ストールとのペアでダブルス2週連続優勝を達成しました。

2000年全豪オープンで、ウェインはアンドリュー・クラッツマンとのペアで4大大会男子ダブルス決勝に初進出しました。しかし、決勝ではエリス・フェレイラ/リック・リーチ組に惜しくも敗れ、準優勝に終わりました。同年のシドニーオリンピックにも出場しましたが、シングルス・ダブルスともに1回戦敗退となりました。オリンピック後の10月19日、3兄弟にテニスを教えた父親のドンが亡くなりました。父親を失う直前の時期から、ウェインはダブルスで同じジンバブエのケビン・ウリエットとペアを組むことが多くなり、シドニーオリンピックでもウリエットと組んで出場していました。2人は翌2001年のシーズンに躍進を遂げます。

2001年全米オープン男子ダブルスで、ウェインとウリエットはジャレッド・パーマー/ドナルド・ジョンソン組を破り、4大大会初優勝を果たしました。2回戦では兄バイロン/ジョナサン・スターク組との兄弟対決を制しての優勝でした。これはジンバブエのテニス選手として、1994年全仏オープン男子ダブルスでバイロンとスタークの組が優勝して以来2つ目のタイトルでした。

2002年全仏オープン混合ダブルスで、ウェインは妹のカーラ・ブラックとペアを組み、決勝でマーク・ノールズ/エレーナ・ボビナ組を破り、4大大会混合ダブルスで初優勝を飾りました。この年、兄のバイロンが現役を引退しました。2年後、ウェインとカーラは全仏オープンとウィンブルドン選手権の2大会連続で混合ダブルス決勝に進出しました。全仏では地元フランスのリシャール・ガスケ/タチアナ・ゴロビン組に敗れて準優勝に終わりましたが、ウィンブルドンではトッド・ウッドブリッジ/アリシア・モリク組を破り、ジンバブエのテニス選手として初のウィンブルドン優勝を達成しました。アテネオリンピックでは、ケビン・ウリエットとの男子ダブルスで準々決勝まで進出しました。

2005年全豪オープン男子ダブルスで、ウェインとウリエットは2001年全米オープン以来の4大大会優勝を果たしました。決勝でブライアン兄弟をストレートで破って優勝しました。

シングルスでは、全豪オープンで1998年から2000年にかけて3年連続で3回戦に進出。1999年には4回戦に進出しましたが、トッド・マーティンに敗れています。2000年の全豪オープン3回戦では、ピート・サンプラスから2セットを先取しましたが、逆転負けを喫しました。

4大大会優勝
全豪オープン　男子ダブルス：1勝（2005年）
全仏オープン　混合ダブルス：1勝（2002年）
ウィンブルドン　混合ダブルス：1勝（2004年）
全米オープン　男子ダブルス：1勝（2001年）

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