バス・ルッテン

バス・ルッテン：総合格闘技界のレジェンド

バス・ルッテン（Bas Rutten、1965年2月24日 - ）は、オランダ出身の総合格闘家であり、UFC殿堂入りも果たした人物です。その格闘技人生は、幼少期のいじめ、喘息との闘いから始まり、キックボクシングを経て、パンクラス、UFCへと進み、数々の輝かしい実績を残しました。

幼少期から格闘技との出会い

ルッテンは、6歳の時に喘息と皮膚炎を発症し、運動を制限されるなど、苦しい幼少期を過ごしました。体も弱かったことからいじめにも遭っていましたが、12歳の時に見たブルース・リー主演の映画「燃えよドラゴン」に感銘を受け、格闘技に興味を持つようになります。両親の反対にあいながらも、14歳でテコンドーを始めますが、喧嘩で鼻を折ってしまい、再び禁止されてしまいます。21歳で再びテコンドーを始め、二段を取得。その後、極真空手でも二段を取得しました。

キックボクシングから総合格闘技へ

20歳の時、用心棒やモデルとして働きながらプロキックボクシングデビュー。16戦14勝14KOという戦績を残します。その後、クリス・ドールマンの誘いでリングスオランダ道場でトレーニングを始め、パンクラスの旗揚げに参加。1993年9月21日の旗揚げ大会で総合格闘技デビューを飾ると、柳澤龍志を秒殺KOし、日本のファンに衝撃を与えました。

パンクラスでの活躍

パンクラスでは、1994年1月19日に船木誠勝に敗れるも、グラップリングの重要性を痛感。トレーニングを録画して学びました。同年7月6日には鈴木みのるにKO勝ち。1995年9月1日にはキング・オブ・パンクラス・タイトルマッチで鈴木みのるに勝利し、王座を獲得しました。1996年5月16日にはフランク・シャムロックとの統一王座決定戦を制し、王座統一に成功。同年10月に王座を返上しました。

UFCでの戴冠、そして引退

1999年1月9日、UFCに初参戦。高阪剛にTKO勝ちを収めます。同年5月7日には、UFC世界ヘビー級王座決定戦でケビン・ランデルマンに勝利し、王座を獲得。オランダ人初のUFC王者となりました。しかし、その後、怪我によりミドル級転向を断念し、現役引退を決意しました。

プロレスへの挑戦、そして復帰

2001年10月14日、バトラーツに参戦。2002年5月2日には新日本プロレスに参戦し、中西学を破りました。その後、永田裕志、金本浩二に敗れ、怪我により活動を休止。2006年7月22日にはWFAで復帰を果たしました。

引退後

引退後は、IFLのコーチを務めたり、総合格闘技の解説者として活躍しています。2015年にはUFC殿堂入りを果たしました。

人物像

スペイン語で「エル・グアポ」（El Guapo）というニックネームを持ち、護身術のレクチャーや俳優としても活躍。試合後の「ルッテンジャンプ」パフォーマンスは有名です。アメリカ合衆国の市民権を取得し、現在はカリフォルニア州で家族と暮らしています。敬虔なキリスト教徒であり、同じくオランダ人で極真空手出身のジェラルド・ゴルドーとは友人関係にあります。

バス・ルッテンは、その圧倒的な強さとカリスマ性で、総合格闘技界に多大な影響を与えたレジェンドと言えるでしょう。

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