バテイア

バテイアについて

バテイア（古希: Βάτεια, Bateia）は、ギリシア神話に登場する女性の名前で、主に以下の2人が知られています。

1. トロイアの王テウクロスの娘
2. スパルタ王オイバロスの妻

この二人のバテイアについて、それぞれの詳細を解説します。

テウクロスの娘としてのバテイア

このバテイアは、トロイアス地方の原初の王であるテウクロスの娘です。彼女はダルダノスと結婚し、3人の子供をもうけました。その子供たちとは、エリ[[クトニオス]]、イーロス、ザキュントスです。

バテイアの名前は、いくつかの地名に影響を与えました。特に有名なのは、イーリオス城の前に広がる草原の中にある丘です。この丘は、人々からは「バテイアの丘」と呼ばれていました。しかし、神々はこの丘を「ミュリネーの塚」と呼んでいました。このように、同じ場所でも人間と神々で異なる名前が使われていたことがわかります。

また、バテイアはダルダノスの妻として語られていますが、別の説ではダルダノスの妻はテウクロスの娘であるアリスベーであるという記述も存在します。

このバテイアの系図は以下の通りです。

テウクロス（父）
バテイア
ダルダノス（夫）
エリ[[クトニオス]]（息子）
イーロス（息子）
ザキュントス（息子）

オイバロスの妻としてのバテイア

もう一人のバテイアは、水のニュムペー（ナーイアス）です。このバテイアは、スパルタの王オイバロスの妻となり、3人の子供をもうけました。その子供たちとは、テュンダレオース、ヒッポコオーン、イーカリオスです。

これらの子供たちは、スパルタの王家や英雄として、ギリシア神話の中で重要な役割を果たしています。特にテュンダレオースは、後にヘレネやクリュタイムネストラの父となることで有名です。

このバテイアの系図は以下の通りです。

バテイア（水のニュムペー）
オイバロス（夫）
テュンダレオース（息子）
ヒッポコオーン（息子）
イーカリオス（息子）


このように、バテイアという名前を持つ女性は複数存在し、それぞれ異なる物語と系譜を持っています。神話の中での登場人物の複雑さを物語っています。

補足

バテイアという名前は、ギリシア神話の中で異なる女性に与えられた名前であり、彼女たちがどのような存在であったかを理解するためには、それぞれの出自と役割を考慮する必要があります。このことは、ギリシア神話の多層的な構造と複雑さを示しています。

参考資料

この解説は、以下の文献を参考に作成されました。

アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫（1953年）
ディオドロス『神代地誌』飯尾都人訳、龍溪書舎（1999年）
ホメロス『イリアス（上）』松平千秋訳、岩波文庫（1992年）

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