バロツェランド

バロツェランドの概要

バロツェランド（Mubuso Bulozi）は、主にザンビアの西部州に位置し、ロジ族（バロツェ族）が住む地域です。この地域はかつてバロツェランド王国として独立国家を形成しており、その領土は現在の西部州の約2倍の広さを誇っていました。さらに、ザンビアの他の地域や、コンゴ民主共和国のカタンガ州にまでその範囲が及んでいたとされますが、これらの歴史的国境は公式に確認されていないため、正確な情報は難しいのが現状です。

1899年、バロツェランドはイギリスの保護領となり、その君主リトゥンガはイギリス南アフリカ会社（BSAC）と協定を結び、王国の伝統的な権威を維持することを目指しました。バロツェランドは北ローデシアという大きな保護領の下で、未だに重要な地域として存在していました。

地理と歴史

地域の中心にはザンベジ川上流のザンベジ氾濫原があります。また、高原地帯も周辺に広がり、植民地以前には現在の北西州、南部州、中央州、ナミビアのザンベジ州などが含まれていました。最初にこの地にはコイサン族が住んでいましたが、後にバントゥー系民族が南下してきたことで、彼らは追放されたり同化されたりしました。

バロツェランド王国は16世紀から18世紀にかけて成立し、その後、マコロロ族に支配される時期もありました。1864年にはロジ族が反乱を起こし、再び力を取り戻しました。

植民地時代

バロツェランドはイギリスによる植民地化の波に抵抗しつつ、その地位を維持しました。1880年頃には王国が安定し、国際的に承認されるまで成長しました。1890年、王はBSACと保護契約を結び、鉱業権を与える代わりに保護を要求しました。この契約には、実際にはイギリス王室からの明示的な保護が含まれていなかったため、さらなる交渉が必要となりました。

皮肉にも1899年、ヴィクトリア女王は新たな保護領を設立することを決定。これにより、新しい行政体制が設けられ、バロツェランドはその支配を受けることとなりました。1911年には北東ローデシアと合併し、形式的にイギリス保護領としての地位を確立しましたが、高い自治権が維持されていました。

ザンビアの独立とバロツェランドの変遷

1964年、ザンビアが独立した際、バロツェランドは国内の一部として統合されることになりました。それに伴い、バロツェランドとイギリス政府間の関係が再定義され、リトゥンガとケネス・カウンダ首相が「1964年バロツェランド協定」を結びました。この協定は、ロジ族に自治権や土地管理の権限を付与するものでした。

しかし、その後のカウンダ政権は協定の権限を徐々に削除し、特に1965年の地方自治法によって王国の統治制度が無視され始めました。

1970年代には、バロツェランドの地名が西部州に改称され、協定の無効化が宣言されると、地域の不満が高まりました。バロツェランドのインフラは他州に比べて遅れをとり、緊張が生じる一因ともなっています。

近年の動向と独立の呼びかけ

2012年、バロツェランド国民評議会は協定の破棄に抗議し、独立を求める声明を発表しました。また、2013年には国際的な機関にも参加。独自の立場を強調し続けています。今日に至るまで、この地域の独立への動きは続いており、その歴史的背景と文化的アイデンティティの重要性が強調されています。

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