バンコク・スカイトレイン

バンコク・スカイトレイン（BTS）

バンコク・スカイトレイン、通称BTSは、タイの首都バンコクの高架鉄道システムです。正式名称は「国王陛下ご生誕6周支（72歳）記念高架鉄道」ですが、一般的には運営会社の頭文字を取ってBTSと呼ばれています。

概要

BTSは、スクムウィット線（ライトグリーンライン）とシーロム線（ダークグリーンライン）の2つの主要路線に加え、2020年に開業したゴールドラインの3路線で構成されています。スクムウィット線とシーロム線は通常の鉄軌道を採用していますが、ゴールドラインはゴムタイヤ式の案内軌条式となっています。また、BTSはタイ国有[[鉄道]]とは異なり、標準軌（1,435mm）を採用し、直流750Vの第三軌条集電方式で電化されています。

特徴

セキュリティ

駅の改札口では、係員によるセキュリティチェックが行われることがあります。地下鉄ほど厳重ではありませんが、手荷物検査や金属探知機による検査が行われる場合があります。ただし、地下鉄と異なり、スカイトレインでは駅構内での写真や動画撮影は特に禁止されていません。

乗車券

乗車券はICカード式で、改札機にタッチして乗車します。降車時には、一回券の場合は挿入口に投入し、ICカードの場合は再度タッチします。深夜には自動券売機が利用できなくなるため、乗車券やラビットカードを事前に用意しておく必要があります。

駅設備

各駅には常に保安要員が配置されており、線路への接近やホームドアへの寄りかかりなどに注意喚起を行っています。トイレは基本的にありませんが、新しい駅では職員詰所の区画に設置されている場合があります。ホームは原則として相対式ですが、一部の駅では島式や単式となっています。また、全駅で方面別に1番線から4番線までの番号が統一されています。

バリアフリー

近年開業した駅では、運転士後方確認用カラーモニターやホームエレベーターが設置されており、バリアフリー対策が進められています。既存の駅にも、後からエレベーターが設置されるなど、利用者の利便性向上に努めています。

経営と歴史

経営

BTSの経営主体はBTSグループ・ホールディングス傘下のバンコク大量輸送システム社(BTSC)です。サービス開始当初は運賃が高く乗客数が伸び悩んでいましたが、路線バスの減便や割引回数券の導入により利用者が増加し、2002年に黒字化を達成しました。

計画と建設

1970年代に西ドイツの協力を得て都市鉄道整備計画が策定され、その影響を受けてBTSが建設されました。当初はラヴァリン社による計画も存在しましたが、政変により白紙となり、現在のBTSはバンコク都主導の計画に基づいています。

歴史

• - 1991年：BOT方式による建設公募
• - 1992年：タナーヨン社がBTSCを設立、契約調印
• - 1994年：着工
• - 1999年：スクムウィット線とシーロム線が開業
• - 2010年：タナーヨンPCLがBTSグループ・ホールディングス社に改名
• - 2018年：EMU-A2型車両が営業運転開始、スクムウィット線延伸
• - 2021年：ゴールドラインが開業

車両

スクムウィット線・シーロム線

車両は、タイ国旗をイメージした白、赤、青の配色で、車内にはエアコン、ビデオモニター、つり革、スタンションポールが備えられています。座席は硬いプラスチック製で、車内放送はタイ語と英語で自動で行われます。また、車体は全面広告ラッピングされていることが多いです。

各形式

• - EMU-A型：開業当初から使用されているシーメンス製の車両で、4両編成です。
• - EMU-A2型：スクムウィット線延伸用に導入されたシーメンス製の新型車両で、4両編成です。
• - EMU-B型：長春軌道客車製の車両で、LED照明や路線マップが採用されています。4両編成です。
• - EMU-B3型：スクムウィット線延伸に伴い導入された長春軌道客車製の車両です。4両編成です。

ゴールドライン

ボンバルディアのInnovia APM 300を採用し、中車浦鎮がライセンス生産した車両を使用しています。2両編成です。

ルート

鉄輪式のスクムウィット線とシーロム線、ゴムタイヤ式のゴールドラインがあります。スクムウィット線とシーロム線はサイアム駅で乗り換え可能です。車両基地は、スクムウィット線に3か所、シーロム線はサイアム駅の連絡線経由で入出庫します。

ホームドア

主要な駅にはホームドアが設置されており、安全性向上に貢献しています。将来的には全駅への設置を目指しています。

ダイヤ

平日、土曜・日曜・祝日でダイヤが異なり、時間帯によって運行間隔が変わります。ラッシュ時には最短で2分40秒間隔で運行されます。駅には時刻表はありませんが、運行間隔が掲示されています。

乗車券

普通乗車券のほか、割引のあるラビットカード、回数券、1日乗車券などがあります。購入場所はBTS各駅や一部ホテルです。

延伸計画

各路線で延伸計画が進められています。

まとめ

バンコク・スカイトレインは、バンコク市民の重要な交通手段であり、観光客にとっても便利な移動手段です。その安全性、利便性、快適性から、今後ますます発展が期待されます。

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