バート・ハワード

バート・ハワード（Bart Howard、本名：ハワード・ジョセフ・グスタフソン、1915年6月1日 - 2004年2月21日）は、アメリカ合衆国の作曲家です。彼は、ジャズのスタンダードナンバーとして世界的に有名な「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」の作者として、広く知られています。この曲は、元々「In Other Words」というタイトルでしたが、歌い出しの歌詞が広く親しまれるようになったため、現在のタイトルに変更されました。

「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」は、フランク・シナトラ、トニー・ベネット、エラ・フィッツジェラルド、ナンシー・ウィルソン、デラ・リース、ボビー・ウーマック、ダイアナ・クラール、ジューン・クリスティ、アストラッド・ジルベルトなど、数多くの著名な歌手によって歌い継がれてきました。また、ジャズやポピュラー音楽のミュージシャンによって、頻繁に演奏され、世界中の人々に愛されています。

経歴

バート・ハワードは、アイオワ州バーリントンで生まれました。16歳からプロの伴奏者としてのキャリアをスタートさせ、メイベル・マーサー、ジョニー・マティス、アーサー・キットなど、数々の著名なアーティストの伴奏を務めました。

「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」は、彼がピアノ伴奏者として働いていたマンハッタンのクラブ「Blue Angel」で、1954年にフェリシア・サンダースによって初めて歌われました。同年には、ケイ・バラードによってデッカ・レコードで初めて録音されています。その後、ペギー・リーが『エド・サリヴァン・ショー』でこの曲を歌ったことをきっかけに、広く知られるようになりました。しかし、バート・ハワード自身は、この曲の成功後、特にこの曲に関わることはなく、生涯を過ごしました。彼は、「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」の他にも、「Let Me Love You」、「On The First Warm Day」、「One Love Affair」、「Be My All」、「The Man In The Looking Glass」、「My Love Is A Wanderer」、「Who Wants To Fall In Love」、「Don't Dream of Anybody But Me」など、49曲を作曲しています。

バート・ハワードは、ニューヨーク州カーメルにて88歳で亡くなりました。彼の死後、アイオワ州バーリントンに住む妹のドロシー・リンドと、58年間連れ添った同性愛のパートナーであるトマス・ファウラーが残されました。

脚注

「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」は、元々「In Other Words」というタイトルだった。
ハワードは、晩年まで「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」の成功に関与しなかった。

参考文献

Todd S. Jenkins (2004), Free Jazz and Free Improvisation: An Encyclopedia, Greenwood Press

外部リンク

バート・ハワード - Find a Grave（英語）

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