バーラージー・バージー・ラーオ

バーラージー・バージー・ラーオの生涯と業績

バーラージー・バージー・ラーオ（1720年12月8日 - 1761年6月23日）は、マラーター王国の第三代代宰相として知られ、広大な領土を治めた歴史的な指導者です。彼の治世中、マラーター同盟はインドの中部および北部にまで迅雷の如く勢力を拡大しました。彼はまた、ナーナー・サーヒブとも称され、特に南インドへの遠征や各地での講和によって名を馳せました。

宰相就任と初期の活動

1740年4月、バーラージーは、父であるバージー・ラーオの死後わずか19歳でマラーター王国の宰相に就任しました。宰相の地位は、父や祖父から続く世襲の形で認められており、シャーフー王からも承認を受けていました。

以降、彼は国の政策を推進し、1740年末にはデリーに赴き、マラーターが獲得したマールワー地方の領有権をムガル皇帝から正式に認めさせました。この遠征は、彼にとって政治的に重要なマイルストーンでした。

ベンガルへの進軍

また、1741年にはベンガル地方での混乱を利用して、ボーンスレー家当主ラグージー・ボーンスレーと対立しました。戦闘は避けられませんでしたが、最終的にはマラーター王国はラグージーの影響を認める形で調停が行われ、ベンガルの状況を一時的に安定させます。

権力の集中的掌握

1749年、王シャーフーが死去した際、バーラージーはその遺言により事実上全権を掌握しました。この時、王権の後継問題が浮上し、王国内での混乱が続く中、彼はスムーズな政権運営を目指すために行政府をサーターラーからプネーに移転しました。

ニザーム王国との講和

1750年代初め、ニザーム王国との対立が生じますが、バーラージーは戦いに勝利し、重要な地域であるベラールとハーンデーシュの一部を手に入れることになります。この講和は王国の財政を潤す原因にもなり、ニザーム王国との国境はその後も安定しました。

南インドへの遠征とマイソール包囲

1753年から1757年にかけて、バーラージーは南インドのカルナータカ地方への遠征を繰り返し、マイソール王国に対しても圧力をかけました。マイソールの首都シュリーランガパトナを包囲したことで、彼の軍は南インドにおける存在感を強化します。

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