パウル・ヴェネッカー

パウル・ヴェネッカーの略歴

パウル・ヴェネッカー（Paul Wenneker）は、1890年2月27日にドイツ帝国のキールで生まれ、1979年10月17日に亡くなった海軍の軍人です。彼は最終階級として海軍大将を持ち、特に第二次世界大戦中には在日ドイツ大使館の武官として活躍しました。

早期のキャリア

ヴェネッカーは、1909年4月にドイツ海軍に入隊し、士官候補生としての訓練を始めます。防護巡洋艦「ヴィクトリア・ルイーゼ」での航海教育を経て、海軍学校を卒業し、1910年4月には海軍見習士官に昇進しました。彼は小巡洋艦「マインツ」に配属され、1912年に少尉に昇進した後、軽巡洋艦「ケーニヒスベルク」へ転属となります。そして、1914年には再び「マインツ」に戻ります。

戦争の影響

第一次世界大戦が勃発すると、ヴェネッカーは乗艦していた「マインツ」がヘルゴラント・バイト海戦で沈没する中、イギリス軍に捕らえられ、1918年まで捕虜として過ごします。その後、オランダに抑留されていましたが、戦後はドイツに戻り、海軍監督部に参加し、ヴァイマル共和国軍に採用されます。

1920年2月には大尉に昇進し、掃海艇の艇長としての任務を経て、艦砲学校の教官や小巡洋艦「ニュンフェ」の砲術士官などを歴任します。彼は次第に昇進し、1929年には戦艦「エルザス」の首席砲術士官に任命されました。

日本での任務

1933年12月、ヴェネッカーは東京にあるドイツ大使館に海軍駐在武官として赴任し、1935年には大佐に昇進します。彼はその後、装甲艦「ドイチュラント」の艦長となり、スペイン内戦にも参加しました。第二次世界大戦が始まると、彼は通商破壊戦に関わり、1940年には再び日本に駐在するよう命じられます。ここで彼は「東アジア提督」の称号を授与され、1945年5月までその任務を続けました。

戦後の人生

1945年に日本が降伏すると、ヴェネッカーはアメリカ軍に捕虜となりますが、1947年11月に釈放されました。その後の人生では、彼は1966年にハンブルク地方裁判所から殺人罪で告訴されることになりますが、時効により審理は停止されました。

彼が指令を下した封鎖突破船における事件は、第二次世界大戦中の彼の軍事的な活動の一環として、今なお人々の記憶に残る存在です。

受章歴

彼の軍歴は数々の勲章に彩られており、1914年版の二級および一級鉄十字章、スペイン十字章、戦功十字章などを受章しています。特に1945年には戦功十字章の剣付騎士章を獲得しました。また、第一級旭日章もその功績を称えられています。

ヴェネッカーの人生は、彼が生きた時代の海軍の歴史を反映した波乱に満ちたものであり、その物語は今でも多くの人々に語り継がれています。

もう一度検索