パキスタンの行政区画

パキスタンは、連邦制国家として、4つの州、1つの連邦直轄地域、そしてカシミール地方における実効支配領域である2つの行政区に区分されています。これらの行政区分は、独立以来、歴史的な変遷を経て現在の形に至っています。

行政区分の詳細

パキスタンの行政区分は、以下の階層構造を持っています。

1. 州 (Province): バローチスターン州、カイバル・パクトゥンクワ州、パンジャーブ州、シンド州の4つがあります。
2. 連邦直轄地域 (Federal Capital Territory): イスラーマーバード首都圏がこれに該当します。
3. 実効支配領域: カシミール地方には、アザド・カシミールとギルギット・バルティスタンという2つの実効支配領域があります。ただし、カシミール地方は紛争地域であるため、憲法上はパキスタンの一部とはみなされていません。

これらの下位区分として、管区、県、テシル（郡）、ユニオンカウンシル（集落連合）という行政区画が存在します。

行政区分の変遷

パキスタンは、独立以来、行政区画にいくつかの変遷を経験しています。

1947年: 独立時には、東ベンガル州、西パンジャーブ州、シンド州、北西辺境州、バローチスターン州の5つの州と藩王国が存在しました。
1948年: シンド州から連邦首都地区（カラチ）が分離しました。
1955年: パキスタン統一政策により、東ベンガル州は東パキスタンに、その他の行政区画は西パキスタンに統合されました。
1958年: グワーダルがオマーンから編入されました。
1961年: 首都機能がラーワルピンディーに移転したため、カラチの首都地区は廃止されました。
1967年: 首都がイスラーマーバードに移されました。
1970年: 西パキスタンが廃止され、4つの州とイスラーマーバード連邦直轄区に分割されました。東パキスタンは1971年にバングラデシュとして独立しました。
1981年: イスラーマーバード連邦直轄区は首都圏に名称変更されました。
2009年: 北部地域はギルギット・バルティスタン地域に改名されました。
2010年: 北西辺境州はカイバル・パクトゥンクワ州に改名されました。
2018年: 連邦直轄部族地域がカイバル・パクトゥンクワ州に統合されました。
2020年: ギルギット・バルティスタンを準州に格上げする方針が示されましたが、政治的な混乱によりプロセスは停滞しています。

各行政区画の概要

以下に、現在のパキスタンの主要な行政区画を一覧で示します。

1. バローチスターン州 (Balochistan Province)
2. カイバル・パクトゥンクワ州 (Khyber Pakhtunkhwa Province)
3. パンジャーブ州 (Punjab Province)
4. シンド州 (Sindh Province)
5. イスラーマーバード首都圏 (Islamabad Capital Territory)
6. アザド・カシミール (Azad Jammu and Kashmir)
7. ギルギット・バルティスタン (Gilgit-Baltistan)

1から4は州、5は連邦直轄地域、6と7は実効支配領域です。

基礎情報

2017年のパキスタン国勢調査によると、各行政区画の人口は以下のようになっています。（暫定値）

（具体的な人口データは、原文に含まれていないため、ここでは割愛します。）

関連項目

ISO 3166-2:PK
パキスタンの都市の一覧

出典

(原文に記載されている出典は、リンク切れの可能性があるため、ここでは割愛します。)

外部リンク

* 州、管区、県、テシルの一覧（2017年） （英語）

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