パステル (料理)

パステルとは

パステルは、小麦粉を練って作った薄い生地で具材を包み、揚げたり、茹でたり、オーブンで焼いたりする料理の総称です。世界各地で様々なバリエーションが見られ、その地域ごとの食文化を反映しています。

ブラジルのパステル

ブラジルでは、パステルは庶民的な軽食として広く親しまれています。特に、路上市の屋台「フェイラ」で販売される揚げたてのパステルは人気があり、多くの人々に愛されています。また、軽食屋や飲み屋でも提供されており、ブラジル人の日常に欠かせない存在です。

パステルの起源については諸説ありますが、有力な説の一つとして、中国からブラジルに伝わった春巻きが変化したものというものがあります。また、イタリアのカルツォーネ、インドのサモサ、17世紀のポルトガルに存在した揚げ物料理などがルーツという説もあります。しかし、最も有力な説は、イベリア半島、特にスペインのガリシア地方を中心に普及しているエンパナーダがパステルのルーツであるというものです。エンパナーダはラテンアメリカ各国で具入りの揚げパイとして広まっており、ガリシアからの移民がその普及に大きく貢献したと考えられています。エンパナーダのルーツは、中近東からイベリア半島に伝わったサンブーサクであるとされています。

ブラジルのパステルは、手のひらサイズのものから20センチ×10センチ程度の大型のものまで、様々な大きさがあります。具材も多種多様で、以下のようなものが一般的です。

Carne（カルネ）: 牛ひき肉と玉ねぎを炒めたもの
Queijo（ケイジョ）: チーズ
Pizza（ピッツァ）: チーズ、トマト、オレガノ
Bauru（バウルー）: ハム、チーズ、トマト
Palmito（パウミット）: ヤシの芽
Bacalhau（バカリャウ）: 塩漬けのタラをほぐしたもの
Calabresa（カラブレーザ）: ピリ辛ソーセージ
Chocolate（ショコラッテ）: チョコレートクリーム
Banana（バナナ）: バナナとシナモン

ポルトガルのパステル

ポルトガルでは、パステルは主に洋菓子として知られています。中でも特に有名なのが以下の３つです。

パステル・デ・ナタ（pastel de nata）: カスタードクリームを詰めて焼いたエッグタルトで、ポルトガルを代表するお菓子の一つです。特に、リスボンのパステイス・デ・ベレンのパステル・デ・ナタは「パステウ・デ・ベレン」と呼ばれ、門外不出のレシピで作られています。2011年には、ポルトガル七大料理の一つに選ばれました。
パステウ・デ・テントゥーガウ（pastel de Tentúgal）: ミルフィーユ風の洋菓子で、ポルトガル七大料理の最終選考まで残った料理です。
パステウ・デ・フェイジョン（pastel de feijão）: アーモンドと白豆を原材料にした洋菓子です。
パステウ・デ・シャヴェス（pastel de Chaves）: ポルトガル北部のシャヴェス市の郷土料理です。

その他の地域のパステル

チリでは、パステル・デ・チョクロ（pastel de choclo）と呼ばれる伝統料理があります。これは、トウモロコシをベースにした生地を使った料理で、その地域ならではの味わいが楽しめます。

パステルのルーツ

パステルのルーツは、中東からイベリア半島に伝わったサンブーサクであると考えられています。このサンブーサクが、エンパナーダやパステルへと変化し、世界各地へと広まっていったと考えられています。

関連料理

パステルと関連のある料理として、以下のものがあげられます。

エンパナーダ
サンブーサク
チェブレキ
餃子
春巻き

パステルは、それぞれの地域で独自の進化を遂げ、多様な形と味わいを持つ料理として、世界中で愛されています。

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