パッション・レッド

パッション・レッドは、日本の女子プロレス界で熱狂的な支持を集めたユニットです。中心となったのは、後にスターダムを牽引する高橋奈苗と、その盟友である夏樹☆たいようです。情熱あふれるファイトスタイルを掲げ、数々の激闘を繰り広げました。

結成は2008年4月24日。当時、CHICK FIGHTS SUNから独立した高橋奈苗と夏樹☆たいようが、同じくSUNで現役復帰した華名と合流して誕生しました。結成当初の活動拠点はNEO女子プロレスで、NEO正規軍やレボルシオン・アマンドラといった他ユニットとの激しい三軍抗争を展開しました。2008年12月7日には、高橋・夏樹の全女時代の先輩にあたる元気美佐恵が、引退を控える中で一日限定で参加するという特別な一幕もありました。

ユニットは自主興行を積極的に開催しました。2009年1月10日には板橋グリーンホールで初の自主興行「1 PASSION」を開催。同年5月2日の「2 PASSION」では、高橋奈苗がさくらえみとのタイトルマッチに敗れ、王座を失うという出来事がありました。同年9月23日の「3 PASSION」では、新メンバーオーディションを実施。この結果、堀田祐美子（パッションホッティー）とRay（パッションRay）が加入し、ユニットは拡大しました。以降、JWP女子プロレス勢との対抗戦にも力を入れるようになります。

しかし、メンバーの動きもありました。華名は2010年1月23日のNEO新木場大会をもって離脱。同年3月19日の「4 PASSION 〜前後裁断〜」では、当時高橋とタッグ王座を持っていたしもうま和美が新メンバーに加わると同時に、引退間近だった風香が一日限定で参加。この興行を最後にRayも休業に入りました。2010年5月21日のアマンドラ自主興行には、栗原あゆみが一日限定で参加し、高橋奈苗が引退する江本敦子から勝利を挙げる場面もありました。同年11月27日の「5 PASSION 〜川崎一所懸命〜」は、夏樹☆たいようの地元川崎で開催され、しもうま和美にとってパッション・レッドとしての最後の興行となりました。しもうまは、12月26日のアイスリボンでの引退試合もパッション・レッドのメンバーとして戦いました。

2011年、高橋奈苗と夏樹☆たいようが新団体スターダムを旗揚げ。パッションホッティー（堀田祐美子）はREINA女子プロレスに参加したため、パッション・レッドは事実上の活動休止となりました。しかし、単発的にユニットが復活する機会もありました。2012年12月31日のアイスリボン後楽園大会、2013年3月にはスターダムのリングでも「パッション・レッドタッグ」として復活を果たしています。

ユニットの終焉は、夏樹☆たいようの引退表明によって訪れました。2014年5月24日、新木場1stRINGにて「FOREVER PASSION〜一生青春〜」と題した最後の自主興行を開催。最終メンバーの高橋奈苗、夏樹☆たいよう、パッションホッティーに加え、元メンバーのRay、そして来場したしもうま和美など、多くの関係者が集まりました。夏樹が憧れた中西百重もこの日限りのエキシビションで登場しました。そして、2014年6月1日、スターダム後楽園大会で行われた夏樹☆たいようの引退試合、対戦相手は高橋奈苗。この試合を最後に、パッション・レッドはその歴史に幕を閉じました。

パッション・レッドは活動期間中に、高橋奈苗＆華名組が第11代NEO認定タッグ王座を、高橋奈苗＆しもうま和美組が第9代インターナショナル・リボンタッグ王座を獲得しています。ユニットの最終メンバーは高橋奈苗、夏樹☆たいよう、パッションホッティー（堀田祐美子）でした。過去には華名、パッションRay（Ray）、しもうま和美が在籍・参加し、元気美佐恵、風香、栗原あゆみが限定的に参加した記録があります。CHICK FIGHTS SUNからの独立、NEO、JWP、スターダムといったリングでの活躍、自主興行の成功など、女子プロレス史において情熱的な存在感を放ったユニットでした。

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