パネルクイズアタック25

パネルクイズアタック25：長寿クイズ番組の歴史と変遷

『パネルクイズアタック25』（以下、『アタック25』）は、1975年4月6日に放送を開始した、視聴者参加型のクイズ番組です。朝日放送テレビ（ABC TV）の制作で、当初はテレビ朝日系列で放送されていましたが、2021年9月に地上波での放送を終了しました。

その後、半年間の休止期間を経て、2022年 3月27日からジャパネットブロードキャスティングと朝日放送テレビの共同制作により、BSJapanext（現：BS10）で『パネルクイズアタック25 Next』（以下、「Next」）として復活しました。

一般には「アタック25」や「アタック」として親しまれており、昭和、平成、令和の3世代にわたり放送されている数少ないクイズ番組の一つです。

番組の概要

地上波時代

地上波放送終了時点では、テレビ朝日系列の24局で全国ネット放送されていました。開始当初は13時15分からの25分番組でしたが、後に30分番組に拡大。1994年からは、日曜正午の番組の放送時間延長に伴い、10分繰り下げての放送となりました。

番組の生みの親である堤章三氏は、毎日放送の『アップダウンクイズ』の構成も担当していました。また、テーマソングやBGMは、山下毅雄氏が手がけています。番組の最高視聴率は、関西地区で24.2%、関東地区で21.5%を記録しました。

番組の基本的なルールは、放送開始当初からほとんど変わっていませんが、一部変更点もあります。

- オープニングクイズでの誤答のペナルティがなくなった。
- 不正解時の起立が3問から2問に短縮された。
- アタックチャンスが導入され、当初は1問限りだったが、正解が出るまで続ける方式に変更された。
- 賞金や優勝者に与えられる旅行の行先が変更された。

地上波時代の出場者数は、約9000人以上にのぼります。

番組の歴史

番組が誕生する前年、児玉清氏が司会を務める『東リクイズ・イエス・ノー』が放送されていましたが、視聴率低迷により終了。しかし、東リ側が児玉氏の司会による番組継続を希望したため、1975年4月に『アタック25』が誕生しました。児玉氏は司会続投に難色を示したものの、東リの意向と朝日放送の説得により、36年間（前番組を含めると37年間）司会を務めました。

番組開始にあたっては、スタッフがオセロゲームから着想を得て、パネルの数を25枚に決定しました。また、当時はまだ白黒テレビが残っていたため、カラーパネルの使用に難色を示す声も挙がりましたが、プロデューサーの説得により実現しました。

放送開始当初、番組タイトルが誤植されるなどのハプニングもありましたが、その後も番組は順調に放送を続けました。1992年には番組ロゴが一新され、2015年にも3代目のロゴに変更。さらに2022年の『Next』開始に合わせて4代目のロゴが登場しました。

1997年には、全国ネットクイズ番組の長寿記録を更新し、2012年にはクイズ番組最長寿記録を達成しました。

地上波放送の終了と新たな展開

2021年6月に、9月末で地上波放送を終了することが発表されました。視聴率の低迷や、若年層向けの番組制作へのシフトが背景にありましたが、特別番組としての復活の可能性も示唆されていました。

朝日放送テレビ社長は、番組終了の理由として、新たなクイズ番組の開発と、ファミリー層向けの一定の役割を終えたことを挙げました。

番組終了にあたっては、歴代のプロデューサーが番組への思いを語り、長寿番組の理由を分析しました。特に、児玉清氏の存在が大きかったとされています。

最終回では、「史上最強のチャンピオン決定戦」と題した1時間スペシャルが放送され、過去のトップ賞獲得者たちが熱戦を繰り広げました。

地上波放送終了後も、朝日放送テレビは全国ネット番組の制作を継続し、後番組にはジャニーズWESTの冠番組を編成しました。

衛星放送での復活

2022年1月、ジャパネットホールディングスがBSJapanextでの『パネルクイズアタック25 Next』の放送を発表しました。放送時間は1時間となり、司会は地上波時代末期から引き続き谷原章介氏が務め、出題は沢木美佳氏が復帰しました。

BSJapanextのスマートフォン用アプリでは、番組への出場申し込みやトップ賞予想に加え、クイズ出題投稿など、双方向機能も提供しています。

この復活は、ジャパネットたかたの親会社であるジャパネットHDがオファーしたことがきっかけでした。朝日放送テレビ社長は、「アタック25を愛していただき、こんなにうれしいことはない」と語っています。

放送開始当初はインターネット上での同時・見逃し配信は行われていませんでしたが、2022年6月より公式アプリでの配信が開始されました。

2022年8月には放送時間が30分繰り下げられましたが、その後10月には開始時間が地上波時代と同じに戻りました。

2025年1月には、『BS10』にチャンネル名が変更され、新クイズやセット・パネルCGがリニューアルされる予定です。

出演者

司会者

- 初代：児玉清（1975年4月6日 - 2011年4月10日）
- 2代目：浦川泰幸（2011年4月17日 - 2015年3月29日）
- 3代目：谷原章介（2015年4月5日 - 現在）

出題者

- 豊島美雪
- 下村委津子
- 加藤明子
- 沢木美佳

番組のルール

基本ルール

4人の参加者が、赤、緑、白、青の4色に分かれて対戦します。早押しクイズに正解すると、パネルを獲得できます。パネルは、縦・横・斜めに自分の色で挟むと、他の色のパネルを自分の色に変えることができます。最終的に、自分の色のパネルの枚数を競います。正解数は勝敗に関係せず、パネルの取り方が重要になります。

1問目の正解者は必ず13番のパネルを獲得し、2問目以降の正解者は、自分のパネルで挟めるパネルを優先して選び、挟めない場合は次に挟めるようになるパネル、それも指定できない場合は、自分の色のパネルと隣接するパネルを選ぶルールです。

戦略

1問目の正解者が2枚目のパネルを他の解答者に取らせることで、その解答者が端を狙えなくさせるという戦略があります。また、最初の問題から3問連続で正解した場合、端を狙う場合が多いですが、あえて斜めを指定して角を狙う戦術もあります。

シンキングタイムとお手付き

シンキングタイムは約7.5秒で、時間切れの場合は次の問題に移ります。時間切れ寸前でも解答ボタンを押せば解答できます。

お手付きや不正解の場合は、その場で起立し、その後2問の間は解答できません。

アタックチャンス

残りのパネルが5枚になったところで、アタックチャンス問題が出題されます。正解者はパネルを1枚獲得後、消したいパネルを1枚指定できます。

ラストコール・トップ賞の決定

全てのパネルが埋まった時点でゲーム終了となり、最後のパネルを入れることを「ラストコール」と称します。

最も多くのパネルを獲得した人がトップ賞となり、海外旅行を賭けたクイズに挑戦できます。全て同じ色で埋めると、パーフェクト賞として賞金100万円を獲得できます。

同点の場合は、同点決勝が行われます。

ウェストミンスターの鐘

放送時間が超過した場合、ウェストミンスターの鐘が鳴り、ゲームが打ち切られることがあります。

旅行を賭けた問題・エンディング

トップ賞獲得者は、海外旅行を賭けたVTRクイズに挑戦します。クイズは、パネルに映し出される映像から、ある人物や場所などを当てる形式です。

正解すると、海外旅行を獲得できます。不正解の場合は、残念ながら旅行は獲得できません。

エンディングでは、以前は旅行を獲得した解答者に花束が贈呈されていましたが、現在は記念のトロフィーが贈呈されるようになりました。

優勝特典の旅行

番組開始当初は、エールフランス協賛によるパリ旅行が定番でした。その後、旅行先は変更を重ね、2022年からは日本一周クルーズ旅行に変更されています。

クイズの種類

現在のクイズ

放送時間が1時間になったことで、新しい形式のクイズも導入されています。

- オープニングクイズ：パネルを使った隠し絵の問題など。
- 映像クイズ：アナグラム問題、熟語問題、順番問題、ランキング問題、映画問題、3択問題、隠し絵問題、4ヒントクイズなど。
- 音楽の問題：3曲を聴いて共通する言葉を当てるなど。
- 視聴者投稿クイズ：アプリで投稿された映像クイズ。
- すべて答えましょう：複数ある答えを全て答える。
- 漢字を当てましょう：テーマに沿った漢字の読み問題を当てる。
- 数字をあてましょう：近似値問題。
- ふるさとクイズ：全国各地に関連する映像を見て答える。

過去のクイズ

- パーソナルクイズ：解答者のプロフィールに関する問題。
- 7ヒントクイズ：7枚のヒントから共通するものを当てる。

特別企画

過去には、芸能人大会、小学生親子ペア大会、熟年大会、高校生大会、大学対抗クイズ大会など、様々な特別企画が開催されてきました。

年間チャンピオン大会は、番組の最後を飾る恒例の企画で、年間を通じて活躍した解答者たちがチャンピオンの座を争います。

番組出場

番組に出場するためには、予選会に合格する必要があります。予選会は筆記試験と面接からなり、合格者は1年間の出場資格を得ます。

予選・収録

予選は、テレビ朝日系列の放送エリアごとに行われます。収録は、朝日放送の本社スタジオで行われていましたが、『Next』以降は東京のBSJapanextのスタジオで行われています。

備考

応援席には、出場者の家族や友人が座っています。

パーフェクト達成者

番組では、14回パーフェクトが達成されています。そのうち、9回は旅行クイズに成功しています。

番組休止の事例

夏の甲子園や、駅伝、マラソンなどのスポーツ中継、報道特別番組などにより、番組が休止となることがあります。

パロディ

他局の番組でパロディ化されることも多く、番組自体もパロディ企画を取り入れることがあります。

冠スポンサー

番組の冠スポンサーは、時代とともに変化してきました。現在は、ジャパネットたかたや世田谷自然食品などが主要なスポンサーとなっています。

ネット局と放送時間

番組は、BS10の他、各地のテレビ局で放送されています。

スタッフ

番組を支える多くのスタッフが、長年番組制作に携わっています。

脚注・外部リンク

この情報は、番組公式サイトや関連資料を参考に作成しました。詳細については、以下のリンクをご参照ください。

- パネルクイズアタック25 Next｜BS10公式サイト
- パネルクイズアタック25 Next (@tv_attack25) - X（旧Twitter）

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