パラントドン

パラントドン（Paranthodon）

パラントドン（学名：Paranthodon、「アントドンの側」の意味）は、白亜紀前期（約1億4500万～1億年前）の現在南アフリカに生息していた剣竜類恐竜の一属です。この恐竜は、その分類をめぐって長い間混乱した歴史を持っています。

発見と命名

1845年、アマチュア古生物研究家のウィリアム・ガイボン・アーサーストーンとアンドリュー・ゲデス・ベインは、ケープ州のDassieklip近郊のブッシュマンズ川の渓谷で多数の化石を発見しました。ベインは1849年と1853年に、これらの化石を同定してもらうためにイギリスの古生物学者リチャード・オーウェンのもとに送りました。これらの化石の中には、ベインが恐竜のものと考え、非公式に「ケープのイグアノドン」と考えていた上顎の骨が含まれていました。この場所は「イグアノドンフック」と名付けられました。

1857年、アーサーストーンはこの発見について発表しましたが、1871年にロンドンでは注目されなかったことを嘆きました。1876年になって、オーウェンは一連の化石をAnthodon serrariusと命名しました。アントドンとは「花の歯」という意味です。

1909年、南アフリカの古生物学者ロバート・ブルームは大英自然史博物館のコレクションを訪れ、オーウェンが2種類の全く違う種の化石を混ぜてしまっていると結論しました。これらはパレイアサウルス類のものと恐竜の顎でした。ブルームはアントドンの名をパレイアサウルス類に残し、恐竜と同定された化石をPalaeoscincus属のものとし、1910/1912年に新種Paleoscincus africanusを命名しました。

1929年、フランツ・ノプシャ男爵がこの標本を研究しました。ノプシャはブルームの発表を知らなかったものの、同様の結論に達し、この種のために新属を創設しParanthodon Oweniとしました。

属名はアントドンの「近く」もしくは「側」（ギリシャ語でpara）を意味します。種小名はオーウェンに献名されたものです。ノプシャは論文の中で誤ってParanthodon Oweniiとつづりましたが、現在の規約ではParanthodon oweniとつづることになっています。

1978年になって、Walter Coombsが正しく両者の名前を組み合わせてParanthodon africanusとしました。

特徴と分類

ホロタイプBMNH 47338は、カークウッド累層のベリアス期-バランジュ期の地層から発見されました。この標本は吻部の後部から構成され、歯のついた上顎骨、前上顎骨後部の枝、部分的な鼻骨が含まれています。吻部はやや細長く、頂部が出っ張っています。前上顎骨の後部は長く、幅広い。外鼻孔が広い。歯には目立ったprimary ridgeがあります。

パラエオスキンクスは曲竜類の属です。しかし、ノプシャはパラントドンがステゴサウルスやケントロサウルスと近縁でステゴサウルス科に属すと考えました。1929年以降、それにもかかわらず一般にパラントドンは曲竜類に分類されてきました。1981年になってピーター・ガルトンは実際にステゴサウルス科であると確証しました。

もしこれが正しいとすると、体長5 m ほどで、南アフリカで最初に発見された剣竜類であるとともに、レグノサウルスについで二番目に発見されていた剣竜類であったことになります。最近の系統解析によれば、トゥオジャンゴサウルス、ロリカトサウルス、ステゴサウルスに近縁だと考えられています。

脚注

参照

Thescelosaurus! on Paranthodon
DinoData on Paranthodon

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